7/24(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
ここからの支持率の回復は困難
7:13~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
2日間の集中審議は「安倍カレンダー」にとって重要なカギとなる
任期満了に伴う仙台市の市長選挙は、民進・共産など、野党4党が支援する、郡和子氏が初当選し、安倍政権にとっては、さらなる打撃となりました。こうした中、国会は今日、衆議院予算委員会の閉会中審査で、集中審議が行われます。
民進・共産の野党共闘候補である、郡和子さんが、自民・公明系の候補である菅原裕典氏を破りました。その差は16,000票余りということで、接戦だったわけですが、野党系の陣営からは、「安倍政権への批判が集まった」と勝因を分析しました。
一方、与党系の支援者からは、「国政の影響は否定できない」と、恨み節も聞かれています。
こうした中で、今日、国会閉会中審査となり、南スーダンの国連平和維持活動部隊における、日報隠蔽問題、それから、加計学園獣医学部新設計画を巡る問題。これについての集中審議が行われます。
いずれも、稲田大臣、それから山本大臣が日本獣医師会に「四国で新設することになった」と伝えた、とされています。これらについて当人たちは否定しているわけですが、これが今日、どんな風に展開されるのかが注目されています。この加計問題については、和泉洋人総理補佐官。それから前川喜平前文部科学事務次官。それから、藤原豊経済産業省官房審議官。藤原審議官は、内閣府で国家戦略特区を担当していました。特区のワーキンググループの、八田達夫座長、原英史委員、それから、加戸守行前愛媛県知事が、参考人として出席します。
今日は衆議院ですが、明日は参議院に舞台を移しての集中審議。和泉氏、前川氏、藤原氏、加戸氏に加えて、萩生田官房副長官も出席する方向となっています。この2日間、和泉氏と前川氏と安倍総理大臣の3者が、国会の舞台であいまみえる展開になります。安倍総理が話していた「丁寧な説明」がどこまでされるか? また、「誠実な答弁」というのも、注目の集まるところかと思います。
今日の集中審議は、来月3日にも行われると言われている内閣改造。それから、安倍総理の悲願とされる、憲法改正をはじめとする、「安倍カレンダー」にも、微妙な影響を及ぼすのではないかと言われており、この2日間は安倍政権にとって非常にカギとなる2日間となりそうです。
やるべきことは、支持率の上昇ではなく下降の阻止である高嶋)毎日新聞で支持率が26%でした。これはさすがに、底が抜けてしまった感じですが、今日は特に変わったこと、新しいことを言うのは、あまり期待できないな、という気がします。須田さんは何か情報はありますか?
須田)攻撃する、と言えばいいのか、攻める野党側は、もうストーリーが決まっているのです。つまり、「総理のお友達の加計学園の理事長に便宜を図り、愛媛県今治市で、獣医学部の開設を認めた」というストーリーに纏めていくよう、そのための答弁を引き出そう。ということだと思うのです。
結論から言えば、かなり大掴みな印象論だと思うのですが、事実関係を細かく検証していくと「そうではない」と明らかになるのだけれど、それをやっても有権者やテレビの視聴者は「よく分からない」という状況になりますからね。
ですから、そういった意味で言うと、安倍さんがそのことに怒ることなく、丁寧に、誠実に答えるかどうか、というところに懸かっていると思います。高嶋)とにかく、人それぞれの立場によって……たとえば、前川前文部科学省事務次官に対して、人柄も全部込みで「あれはダメだ」と言う人もいますし。
新聞でも、否定的に書く新聞もあれば、「彼の勇気ある証言が~」みたいな取り上げ方をするのも。これは、すべてが真っ二つなのですよね。
事実は「とにかく今まできっちりと説明してこなかった安倍さんと内閣の支持率がガタ落ちしている」という点です。先ほどの仙台市長選挙にも、そういうニュアンスがあると思うのですが、その辺の齟齬ですね。それをどの程度安倍さんが理解して、今日と明日が終わったら、それから8月3日の内閣改造と合わせて、支持率が再び上昇傾向になるのか、という、この1点なのですけどね。須田)支持率上昇は相当難しいだろうな、と思いますね。むしろ、支持率を上昇させることよりも、とりあえず今やらなければならないのは、支持率の下げ止まりを止めることなのですよ。それが果たして出来るのかというのが、この2日間に懸かっているのでは、と私は思います。
真偽はどうであれ、イメージが悪すぎるのは事実
高嶋)言い切ってしまうのは気の毒だけど、稲田さんといい、山本大臣といい、何か、映像で見ていると、背後に「嘘」と書かれている。目が泳いでいたり。あれ、凄く影響されていると思います。
須田)そうですね。イメージが悪すぎますよね。それを引き出そうとしているところもあるのでしょうけれど、その「誠実さが欠ける」という部分がね……説明できないところは説明できない部分とか。
おそらく稲田さんは、今日は「調査中」ということで、何も新しい事実は出してこないと思うのですが「それはそれで、説明できる範囲で説明する」という姿勢が見られるかどうか。それとも、先ほど高嶋さんが言ったとおり、「全部シャットアウトで門前払い」となってしまうのか。それをやってしまったら、結果的にまたイメージを悪くして、支持率が下がることになりますから。その辺りにどう対応するのか。非常に難しいことだと思いますけどね。高嶋)須田さんは、たとえば稲田さんに関する情報で、「ここまで来てしまっては」ということで、「更迭だ」というようなニュースは入りましたか、いませんか?
須田)とりあえず、来月上旬に内閣改造が行われるわけですから、そこで間違いなく変わるわけですからね。そこまでは持たせる、ということだと思いますけどね。
岩盤規制に関しての議論を発展させてほしい高嶋)具体的に聞きたいのですが、和泉首相補佐官が登場することについて、「ポイントはこの方だ!」と指摘する向きも凄くあるわけですよね。この方が、「総理は直接言えないから私が言うんだ」みたいなことを文部科学省に対して言った、というような。その辺のことも当然出てくると思うのですが、どんな展開が予想されますか?
須田)その点も、和泉さんはこれまでは一貫してその点については否定してきたわけですよね。それに対して「いいや、私は言われた」と主張する前川さん。「どちらが信憑性が高いのか?」というイメージ争いになっていくのかな、と思います。
ただ、どうなのでしょうか。そこに議論が集中して、果たしていいのか? そもそも、獣医学部の開設が数十年間認められなかったのは、岩盤規制であることは間違いないですよ。そこを突破するのは正義なのか悪なのか? そこを、政策論をきちんと議論していくべきではないかと思います。高嶋)たしかに、我々も分かっていないことが沢山あって、それで、これがガチャガチャする度に新しい情報が入ってきて。「四国に獣医学部が無かった」とか、私も知りませんでした。
それが、前知事が答弁をしたように、「加計しかなかった、手を挙げてきたのはずっと加計なんだ!」と。あれは凄く響きましたよね。
ということは、むしろ安倍さんは、「岩盤規制に穴を開けたら、たまたま親友だった。だけど、ちょっと近づきすぎた」という、その辺の反省はした方が良いと思いますね。下村さんもはじめ全部。須田)逆の見方をすると、「そうした親しい人間だったから、安倍さんの行動に意気を感じて手を上げた」という見方もできる。つまり、そこで手を上げてしまうと、文科省も、獣医師学会も敵に回してしまう。四面楚歌になるわけですからね。そこは、普通の学校経営者なら手を上げませんよ。「安倍さんとの関係があったから手を上げた」という見方もできなくもないわけですからね。
高嶋)須田さんは安倍さんがきっちり説明すると、思っているわけですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00