泳げない犬もいる!愛犬との水遊びを楽しむ秘訣とは?【ペットと一緒に vol.40】

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夏の水遊びに愛犬を同伴するご家庭もあるかもしれません。「犬かき」と呼ばれるし、犬ならばみんな泳げると思っていたら、実は大間違い!泳げずに溺れてしまう犬や、水を怖がる犬も少なくありません。

そこで今回は、犬を泳がせる前に知っておきたい注意点や、犬との楽しい水遊びの極意をお伝えします。


「犬かき」できない犬もいます!

みなさんの愛犬は水遊びをしたことがありますか?泳ぎは得意ですか?
筆者の愛犬のノーリッチ・テリアは、そもそも水が好きではありません。シャンプーやお風呂も好んで入りません。もちろん、泳ぐのも苦手。

以前ともに暮らしていたヨークシャー・テリアは、「今日はお風呂だよ」と言うと、自らバスルームに入ってきて、お湯を溜めた大きめの洗面器に入って至福の表情を浮かべていたのですが……。

個体差はありますが、一般的には大多数のテリア種は、本能的には水に親しみを感じないと考えられます。というのは、テリアという言葉がラテン語の「テラ(大地)」に由来するとおり、主に農作物を荒らすアナグマやネズミやキツネなどの害獣を駆除する役割を担っていたテリアは、土を掘るのは得意でも、水の中で仕事をする必要がなかったからです。

ノーリッチ・テリア

ノーリッチ・テリア。筆者の愛犬は水泳はちょっと苦手ですが、同じ犬種で水泳大好きっ子もいます

一方、プードルは水猟犬として活躍し、レトリーバーは猟師が撃ち落とした鳥を泳いで回収してくる役目を負っていました。なので、本能的に水に対する抵抗感はなく、むしろ水を見ると飛び込みたくなってしまう確率も高いでしょう。

余談ですが、ドッグショーなどで見るプードルの独特のヘアカットには、犬種に与えられた作業上の意味があります。足の先と腰上がボンボンのようになっているのは、水中で浮きの役割を果たすように。太もも周辺の毛を刈り込んでいるのは、水中で泳ぐ際に脚を動かしやすくするため。逆に胸まわりのフワッと残した毛は、心臓などの大切な内臓が水中で冷えるのを予防するため。このように、水猟犬としての機能を活かすための工夫なのです。

プードル

プードルのこのカットは、水泳をしやすくするためのもの

プードルやレトリーバーならば、教えなくても最初から上手に「犬かき」をする犬もいるかと思います。
けれども、もともと泳ぐ仕事を与えられていない犬種に加えて、現在は作業犬としての役目を終えた愛玩犬タイプの犬では、泳げない犬も多数いるのが現実。
そのような犬たちと水遊びを考えているならば、まずは水に親しんでもらうところから始める必要があります。


愛犬を水に慣らすコツ

いきなり川や海に愛犬を連れて行く前に、まずはバスタブや子供用のビニールプールに水を張ったところで、愛犬を水に慣らすことをおすすめします。

最初は足先が浸かる程度の浅い水深で、足先からそっとプールに愛犬を入れてみてください。そのとき、愛犬の足が突っ張っていたり、息が荒かったりするのは緊張やストレスのサイン。無理は禁物です。おやつやおもちゃなどの好きなものと一緒に水中に誘導して、プールの底に足をつけられたらほめてあげるのがコツ。もしそのまま体も動かさずに愛犬が固まっているのも、怖がっている可能性があります。飼い主さんが一緒に入ってあげたりしながら、徐々に水に慣らしてあげていきましょう。

自宅プール

家族と一緒の自宅プールで水に慣らすのが第一歩。これでも愛犬には十分に楽しいひととき!

愛犬が水に慣れてきたら、少しずつ水量を増やします。
円形の浮き輪を使って、後脚だけを使って歩かせたりしても良いかもしれません。

すぐに「犬かき」をやってもらいたくなるかもしれませんが、焦らずじっくりと、水に対する恐怖心をぬぐっていってあげるのが、目標への近道となるはず。


犬用のプールで練習をするのもよし!

我が家は秋に犬と沖縄に旅行したことがあるのですが、前述のとおり自宅で水に慣らしたあと、出発前に、インストラクターが犬に水泳を教えてくれるプールで練習をしました。

最初は、安全のために犬用のライフジャケットをつけて。さらに、インストラクターがジャケットの背中にある取っ手を軽く持ち上げながら泳いだのですが、当時2歳のミィミィはなんと、なんと段々と沈んでいきそうに……。必死な表情だったのも忘れられません。
それでも、5メートルずつを3回位泳いだら、インストラクターのサポートなしになんとか犬かきができるようになりました。

6歳のリンリンは、最初からインストラクターがライフジャケットの取っ手で持ち上げることなく、スイスイと泳いでいて、同じ犬種でも違うものだと思いました。
最終的にリンリンはライフジャケットをはずして泳げるまでになりましたが、やはりミィミィはジャケットをはずせずじまい。

愛犬

プールで泳ぎの練習中の筆者の愛犬

沖縄では、それほど波が穏やかなビーチではなかったこともあり、波に驚いてしまってミィミィは水にも浸かりませんでした。リンリンはライフジャケット装着で少し泳ぎましたが。

愛犬の性格上、我が家のように練習しても自ら泳ぎを楽しんでいない様子であれば、決して無理をさせないでください。

練習を重ねて最終的に泳ぐのが大好きになり、自ら水へ飛び込んでいくようになったという犬も多数知っています。それならば、安全上、ライフジャケットを必要に応じて装着するなどして飼い主さんも泳ぎに付き合ってあげてよいと思います。

水泳は、犬の筋トレやダイエットにも最適です。
猛暑の夏は熱中症リスクが高まり、陸上では運動がどうしても不足してしまうので、水中で泳げば運動不足解消にもつながります。

愛犬

「冷たい水辺で遊ぶほうが好きだよ~」(愛犬)、「そうだね。泳がないでそうやって遊ぼうね」(飼い主)

ただし、水中でも日差しが強すぎると鼻がやけどのような状態になり皮膚炎になったり、高温になった砂浜で足裏をやけどしたり、泳いでいないときに熱中症になったりする可能性があるのでご注意を。

また、水遊びのあとはしっかりと全身を乾かしてあげてください。生乾きの状態だと、雑菌が繁殖しやすい環境になって皮膚炎の原因になるからです。タオルを何枚も使って、ドライングをしてあげましょう。ドライヤーを使用する際も、なるべく冷風モードを使用して、熱風が原因による熱中症を予防するように努めましょう。
健康管理を万全にして、愛犬との楽しい夏をお過ごしください!

連載情報

ペットと一緒に

ペットにまつわる様々な雑学やエピソードを紹介していきます!

著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

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