岡田准一・有村架純・平岳大・東出昌大・役所広司、新解釈で描く『関ヶ原』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第257回】

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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、8月26日から公開の『関ヶ原』を掘り起こします。

正義か、野望か。関ヶ原の戦いに、現代日本の在りようを重ねる。


長き戦乱の世を終焉させ、その後の日本の命運を決定づけた、天下分け目の大戦「関ヶ原の戦い」。
戦国時代後期の1600年、徳川家康を大将とする“東軍”と、石田三成を中心とする反徳川勢力の“西軍”とが行なった、日本の歴史上あまりにも有名すぎる合戦は、これまでにも多くの映画やTVドラマなどで取り上げられてきました。

しかし、この合戦そのものを真正面から描くのは、意外にも日本映画ではこれが初めてとのこと。
司馬遼太郎の国民的ベストセラー小説を元に、日本映画界の智将・原田眞人監督が、誰もが知る「関ヶ原」の誰も知らない真実をスペクタクルに描きました。


幼くして豊臣秀吉に才能を認められ、秀吉の小姓となった石田三成。
成長し大名に取り立てられた三成は秀吉に忠誠を誓いながらも、正義ではなく利害で天下を治める秀吉の姿勢に疑問を抱いていた。

一方、天下取りの野望を抱く徳川家康は、秀吉の不興を買う小早川秀秋や他の秀吉恩顧の武将たちを味方につけようと、言葉巧みに武将たちを懐柔していく。
三成はそんな家康が気に食わなかった。

やがて1598年8月、秀吉が逝去。
そして1600年9月15日、毛利輝元を総大将に立てた三成の“西軍”と、家康率いる“東軍”が、関ヶ原の地で覇権をかけて激突する…。


これまで語られてきた「関ヶ原の戦い」に、新たな解釈を交えて描いた本作。
武将それぞれの人物像についても、これまでのイメージを覆す部分も多く見受けられます。

中でも、主人公・石田三成については“正義を信じる純粋すぎる武将”と据えたり、歴史を語るうえで“裏切り者”のイメージが強い小早川秀秋を“義を貫こうともがき苦しむ武将”として描き出したりしているのは、観る者の目に斬新に映ることでしょう。

誰が敵で誰が味方か…ということではなく、武将ひとりひとりが日本の未来に想いを込めて戦った、決して善悪だけでは語れないドラマがスクリーン狭しと映し出され、重厚なドラマ描写で定評のある原田眞人監督の真骨頂が発揮されています。


石田三成が掲げる「大一大万大吉」とは、「一人が万民の為に尽し、万民が一人の為に尽せば、皆が幸せになれる」という意。

三成の理想主義による“義”と、家康の現実主義による“不義”との戦い。
戦国時代劇でありながら、そこにある社会の縮図には現代にも相通ずるものがあります。
現代人、刮目相待の注目作です。


関ヶ原
2017年8月26日から全国ロードショー
監督・脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎「関ケ原」(新潮文庫刊)
出演:岡田准一、有村架純、平岳大、東出昌大 、役所広司 ほか
©2017「関ヶ原」製作委員会
公式サイト http://sekigahara-movie.com/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/


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