人から人へ、伝わる映画を『じんじん 其の二』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第267回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、9月2日から全国順次公開となる『じんじん 其の二』を掘り起こします。


舞台は“絵本の里”から“名水の里”へ。スローシネマ方式で全国に届ける、絵本と親子の絆。


俳優の大地康夫が企画・主演を務め、“絵本の里”として知られる北海道剣淵町を舞台に、人の優しさと親子の絆を描いた映画『じんじん』。

各地のホールや公共施設で地域上映会を行っていく“スローシネマ”方式で、ゆっくりと、しかし着実に全国に広がっていった本作は、4年あまりの歳月をかけて全国47都道府県1000カ所で約30万人を動員し、ヒットを記録しました。

その続編となるのが、『じんじん 其の二』。
物語の舞台を“名水の里”神奈川県秦野市に移し、全国を巡ります。


大道芸人の立石銀三郎は、現在は神奈川県秦野市で居候の身。

ふとしたことから出会った若者・山下哲生の世話を焼くことになった銀三郎は、哲生に林業のアルバイトを紹介する。仕事に邁進するうちに同僚らの環境保護活動にも興味を抱き、生きる目標を見出すようになった哲生。

しかし心には大きな悩みを抱えており、ある日突然、銀三郎たちの前から姿を消してしまう。そんな哲生を励ましたのは、銀三郎から贈られた一冊の手作り絵本だった…。


主人公の立石銀三郎を演じるのは、大地康夫。女性に弱くちょっぴりお調子者、でも誰よりも温かなハートを持つキャラクターを人情たっぷりに演じています。

共演は福士誠治、鶴田真由、永島敏之、菅野莉央、津田寛治、佐藤B作、中井貴惠と実力派キャストが集結。前作に続きメガホンを取った山田大樹監督は秦野市在住ということで、黒竜の滝やくずは峡谷、水無川など、秦野の豊かな自然を美しく映し出しています。


2011年に発生した東日本大震災は、日本に大きな試練をもたらしました。避難所に暮らす子どもたちの元には自然発生的に全国から絵本が届けられ、被災地を訪れる読み聞かせのボランティアも姿も。それら絵本と読み聞かせは子どもたちの心の大きな拠り所となり、これがきっかけで“絵本の力”が再認識されたとのこと。

そんな“絵本の力”と親子の絆をテーマとした本シリーズ。さらに今作では、試練と向き合う大切さを盛り込むことで、若者への応援歌のような作品となりました。

ちなみに今作で登場するのは、「雲をつかむはなし」というお話。
丹沢の自然に暮らす動物たちの姿を通し、挑戦することの大切さが情感豊かに描かれている、この映画から生まれた絵本です。行く当てもなく心を閉ざしていた青年・哲生が勇気を受け取ったように、きっとあなたの心にも一筋の光が差し込む一作となることでしょう。


じんじん 其の二
2017年9月2日から全国順次公開
監督:山田大樹
企画・主演:大地康雄
出演:福士誠治、鶴田真由、菅野莉央、岡安泰樹、佐藤B作、中井貴惠、津田寛治、苅谷俊介、永島敏行 ほか
©2017「じんじん 其の二」製作委員会
公式サイト http://www.jinjin2.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/


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