中国の高速鉄道が最高時速350kmで復活!

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9/26(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

温州市鉄道事故から6年 飛躍的な技術革新
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

最高時速350kmの新型車両「復興号」が運航開始

2011年に中国の温州市で発生した高速鉄道の車両衝突事故から6年、今月21日から北京と上海を結ぶ京滬(けいこ)高速鉄道で最高時速350kmが出る新型車両「復興号」の運行が始まりました。飛躍的な技術革新を続ける中国ですが、この世界最速の高速鉄道についてジャーナリストの富坂聰さんが解説します。

高嶋)中国は何と言っても“世界一”が大好きで、高速鉄道の完全復活をアピールして、北京~上海間が従来よりも20分短い4時間半に短縮し、最高時速が何と350km。以前事故がありましたよね。

富坂)胡錦濤(こきんとう)・温家宝(おんかほう)体制のときにありました。高速鉄道が産声を上げた途端に事故が起きたので、これは前途多難だなと思いました。

高嶋)車両を埋めてしまった。

富坂)ありましたね。夜に朝日新聞の記者が見に行ったら「埋めてる!?」って。あれは度肝を抜かれました。すごい国だなと思いました。
その後はものすごい勢いで鉄道も拡大していって、ほんの1週間くらい前に北京~上海間で、今度は習近平なので「復興号」という物で運行が始まりました。これまでは「和諧号」という車両でした。胡錦濤が進めていた政策の「和諧社会」から取っているのですね。時速350kmを出さなければいけないという使命が多分あったのだと思います。
これは実は日本でも直線距離では出そうと思えば出せるのですけど、安全運航の面で抑えています。中国も時速320kmに抑えていたのですが、これはメインの路線になるので今回は時速350kmでやろうということで、今のところは事故が起きていないということですね。

国土の広い中国は車両走行の環境試験データが取りやすい

高嶋)中国のこの北京~上海の高速鉄道というのは、オリジナルですか?

富坂)そうです。車両はもうオリジナルになりました。技術革新は早く進んでいます。「高速鉄道の父」と言われている人物が習近平政権になってからすぐに捕まって、史上最大の汚職額ということでとても有名になりました。習近平の“虎退治”の入り口のような人だったのですけど、そういうこともあったので高速鉄道もいろいろありました。
今後、注目されていますが、中国の高速鉄道はものすごく発展していくのではないかと言われています。なぜかというと、データが取りやすい。国土が広いので朝と昼、冬と夏が同居しているのですよ。暑いところからいきなり雪の降っているところまで走るという、他の国ではあまり体験できないようなことがデータで取ることができます。
例えば、上海で朝だったらウルムチの方だと夜だとか、上の方は冬だけども下は夏とか、こういうのがありますから、そういう条件の下で高速鉄道を走らせなければいけないというプレッシャーが掛かっているのです。

高嶋)それは至難の業ですよ。氷点下何十度の中で、凍らせずに車輪を回すのがいかに大変かという。そして、行き着く先は今度は真夏だということですね。それはクリアしたのですか?

富坂)いくつかは通っています。日本だとそういう環境を作って実験をしなければいけないのですが、そういうことをしなくてもデータが取れます。ビッグデータの時代になるといろいろと追い風が吹いてくるのではないかと言われています。

高嶋)国土の広さというのを遺憾無く長所として発揮できるということなのですね。これには乗ったことはありますか?

富坂)高速鉄道には乗りました。私は大連~ハルピン、ハルピン~北京間の他、短いのはいくつか乗っているのですけど、何だかスピード感があまり無いのですよ。というのはただ広いところをずっと走って行くので。景色が変わらず少し退屈なのですよね(笑)。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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