中国当局の厳しいネット監視~グループチャット内での発言で拘束も

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10/3(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

一方では政府よりな書き込みにはには0.5元支給
6:33~ ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター 富坂聰(ジャーナリスト、拓殖大学教授)

中国当局の厳しいネット監視~グループチャット内での発言で拘束も

中国の政策の情報操作に一役買った五角党とは?

10月18日に行われる中国共産党大会に向けて、中国当局では監視員を雇い、公のネットワークだけではなく友達同士のグループチャットまで監視をしているようです。実際に民警を罵って捕まった方もいます。詳しいところをジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰さんに伺いましょう。

高嶋)中国共産党大会が今月の18日からありますが当局は今、治安対策を大変強化していると。その中でもSNS関係の規制が非常に厳しく、監視員を雇っているようですが本当ですか?

富坂)そうですね。そもそも監視は当局がやっていますが、人を雇ってやるにせよすべて当局でやっていたら大変です。要するに「お前のところでもし問題がたくさん起きたらとりつぶしだよ」という圧力をかけて自主規制をさせていました。しかし、そんな中での自主規制もなかなか大変ですから、常に見ているユーザーたちにそういう仕事を振って、すごく安くやってもらっています。以前『五角(毛)党』という有名なものがありました。政府が何か政治の政策を発表し「その政策いいですね」と書き込むと0.5元もらえる。これが五角(毛)(0.5元の別称)という単位なので五角(毛)党と。日本円でだいたい8円くらいです。書けばもらえますからどんどん書きますよね。最終的には五角を払えなくなって一角になり『一角党』と呼ばれていましたけど。今回の監視員はそれの取り締まるバージョンですね。

高嶋)手が付けられないくらい世界中の情報が網の目になっている中で、中国の監視や規制は生きているのですか?

富坂)政治の一部分でしか生きていませんが、最近起きた事件では友達同士でやっているグループチャットの言論の中で、とある1人が駐車違反で切符を切られたと。警察に対して「この犬!」と書き込みをしたらすぐに警察が来て3日間行政拘留されました。あとは同じくグループチャット内でふざけて「ISに入ろう」と書いたら9ヶ月拘留されたという例もあります。

高嶋)え!? それは身内が身内を売っているということですか?

富坂)身内が売ったわけではなくて、監視に引っかかってしまったのです。先程の切符を切られた件は、罵られた交通民警が「自分たちが罵られた」と公安にチクってすぐに行政拘留されましたわけです。公のネットワークだけではなく、グループチャット内でも気を付けなさいという記事をこのあいだ人民日報が発表しました。すごいところまで監視の対象になっているなと。

中国当局の厳しいネット監視~グループチャット内での発言で拘束も

中国では携帯とIDが同じ扱い

富坂)スマートフォンやパソコンは実名制なので、誰が何の端末を使っているかはっきりしています。

高嶋)全部わかっていると。

富坂)それが便利な場合もあります。前にもお話したアリペイでは自転車を借りるときなどもすべて決済できます。携帯はIDと同じ扱い、すべて実名なのでそこで何か発信をしたら、誰のものかすぐにわかります。

高嶋)当局は誰がいつ自転車を借りたかまでみんなわかっているということですね。

富坂)かなり息苦しい社会になっていますが、中国は便利なもの、便利なほうを選んでいるという状況です。

高嶋)これから国慶節で日本に相当の人が来るということですけど、みんなお金を持っていて豊かなのでそういう不満があるようには見えませんね。そこが大きいですよね。

富坂)庶民は自分の生活ですから。そういう意味では、未来に向けて中国のみなさんちょっと希望を持っていています。

高嶋)経済がおかしくなったら大変ですね。

富坂)逆回転をし始めたらすぐ怒りますよ。ネット監視社会がいくら強くても怒るときは怒りますから。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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