横浜駅「横濱チャーハン」(630円)~駅弁屋さんの「工場」ですよ!(崎陽軒編③)

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

根岸線

根岸線・E233系電車

今週はベイスターズ・19年ぶりの日本シリーズ進出記念、駅弁膝栗毛も横浜特集です。
横浜スタジアムの最寄駅、根岸線・関内駅の主役は、スカイブルーの帯を巻いたE233系電車。
発車メロディはもちろん、ベイスターズの応援歌「熱き星たちよ」ですね。
野球場といえば、“売り子”さんからビールを買うことも多いもの。
球場の常連になっている方の中には、きっとお気に入りの“売り子”さんもいることでしょう。
実は「駅弁」にも、大人気の“売り子”さんがいたこと・・・ご存知ですか?

シウマイ娘

かつて活躍した「シウマイ娘」(崎陽軒提供)

それは、横浜駅弁「崎陽軒」で話題を呼んだ「シウマイ娘」。
昭和25(1950)年といいますから、ちょうどプロ野球の「第1回日本シリーズ」が行われた年。
横浜駅のホームで、赤い服を着てたすきをかけ、手籠にシウマイを入れて売り歩く「シウマイ娘」が登場、小説で取り上げられ映画化もされたことで、「シウマイ」は全国的に有名になりました。
実は「シウマイ娘」には、「身長158cm以上」という基準があったそうですが、その理由とは?

シウマイ娘

シウマイ娘の立売り(崎陽軒提供)

そう、「シウマイ娘」の皆さんは、列車の窓を開けたお客さんとシウマイとお金のやり取りをしなければなりませんでした。
列車の窓の位置に届く、背の高い女の人でないと「立ち売り」は出来なかったのです。
ちなみに、昭和25年の30歳女性の平均身長は148.9cm。
今でいうところのキャビンアテンダントさんのようなスラッとした女性が、「シウマイ娘」として人気を集めていたんでしょうね。

(参考)厚生労働省「国民健康・栄養調査」

崎陽軒 工場

崎陽軒横浜工場の“湘南電車風”撮影ポイント

そんな昭和25年当時の横浜駅を追体験できるのが、横浜駅弁「崎陽軒」の工場見学!
昭和25年といえば、「電車」として初めての長距離列車となった80系電車が、東海道線・東京~沼津間にデビューした年でもあります。
崎陽軒の工場見学には、この「湘南電車」として親しまれた80系電車風の撮影スポットが設けられて、昔ながらの駅弁販売気分が味わえるのです。

ライター望月

ライター望月も“駅弁屋さん体験”

この撮影ポイントの素晴らしいところは、何と言っても立ち売りの「衣装」が揃っていること。
女性の皆さんは「シウマイ娘」に、男性は昔ながらの「立売り」風に・・・。
私が訪れた日も、親子連れの方が、一緒に記念撮影を楽しまれていました。
もちろん私も、立売りさんの衣装と「炒飯弁当」のサンプルをお借りして1枚!
この湘南色をバックに撮影が出来るのは、「工場見学」に参加出来た方のみの特典です。

横濱チャーハン

横濱チャーハン

さて、崎陽軒で炒飯といいますと、「横濱チャーハン」(630円)が定番という方も多いことでしょう。
実は「横濱チャーハン」、あの「シウマイ弁当」よりも歴史のある駅弁。
昭和初期に「やきめし」という商品名で販売されていた弁当がルーツなんですね。
今から20年前、平成9(1997)年10月にリニューアルされた時に、「やきめし」から今の「横濱チャーハン」に商品名が変わりました。

横濱チャーハン

横濱チャーハン

【お品書き】
チャーハン
昔ながらのシウマイ
鶏のチリソース
筍煮
きゅうり漬け

「横濱チャーハン」ならではのおかずといえば、「鶏のチリソース」。
鶏の唐揚げをこだわりの“うま辛チリソース”で絡めているそう。
「昔ながらのシウマイ」は2個、シウマイ弁当でおなじみの「筍煮」も入っていて、望月も「少し軽く食べたいなぁ」という時は、迷わず「横濱チャーハン」を選んでいます。

横濱チャーハン

横濱チャーハン

ふたを開けた瞬間から、フワッと香るチャーハンならではのいい風味。
しかも、時間が経ってもチャーハンがしっかり「パラパラ」なのです。
やっぱり、このパラパラ感こそが、「冷めてもおいしい」の真骨頂!
付添の先割れスプーンがスッと入って、チャーハンをすくい上げる時の心地よさが半世紀以上続くロングセラーの秘密なのかもしれません。

特急 スーパービュー踊り子

251系・特急「スーパービュー踊り子」、東海道本線・横浜~戸塚間

現存最古の鉄道トンネル、東海道線の清水谷戸トンネル(上り線)を横目に下る251系電車の特急「スーパービュー踊り子」号。
251系電車・普通車の座席は、肘掛に収納されるインアームタイプの小さいテーブルなので、実は「横濱チャーハン」くらいの大きさが、ちょうど良かったりするんですよね。
歴史ある路線の旅を、歴史ある駅弁と共に、ぜひ楽しんでみましょう。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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