商工中金~大規模な不正融資はなぜ行われたのか?
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11/27(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
処分された職員は813人に及ぶ大規模な不祥事
6:31~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
100店舗中97店舗で不正融資が行われていた!
政府系金融機関である商工組合中央金庫(商工中金)が、国の「危機対応融資」制度を利用し、大規模な不正融資を行っていたことが発覚した。具体的な内容と、今後想定される不安について、ジャーナリストの須田慎一郎氏が解説する。
高嶋)相次ぐ企業スキャンダル。今度は政府系金融機関の商工中金のずさんな経営が明らかになりました。この商工中金の問題というのは、だいぶ前のことですよね?
須田)そうですね。実は今年の2月に発覚したのです。商工中金は経済産業省直系の政府系金融機関です。会社勤めの方には馴染みがないと思うのですが、中小企業とかを経営されている方には利用している方も多いと思います。
一体何が行われたのかというと、リーマンショックや東日本大震災の影響を受けて、経営危機に陥った中小企業に向け、国としても、政府としても「何かしなければ」ということで、「危機対応融資」というのが行われました。「利子補給を税金で行うことにより、低利で融資をしていこう」ということです。
ところが、驚くべきことに、不正融資が発覚しての調査結果がようやく纏まったのですが、何と、「100店舗中97店舗で不正融資が発覚した」ということなのです。本来なら融資対象ではないにも関わらず、決算処理を偽装、改竄したりすることで、不正融資をしてしまっていた。利子補給のノルマを達成しようとした結果の不祥事
高嶋)何のために不正融資をしたのですか?
須田)危機対応融資は「これだけの予算を作って利子補給しますよ」と国がやることですから、各店舗にノルマが行ったのですよ。「予算を使い切れ」と。予算というのは、1年間で使い切らなければいけないところがありますから。
すると、各支店にノルマが行くと、各担当者にノルマがおりてくる。「これだけやらなければ、せっかく危機対応融資を作った意味がない! とにかく融資を!」ということで……高嶋)利子が安いから、借りる資格がないところにまで、どんどん垂れ流しのように、貸してしまう。
須田)そうです。その結果、関与した職員が444人前後に達して、融資件数は4,609件に及び、結果的に処分されたのは、上司も含めて813人にも上った、とのことです。
高嶋)無理矢理融資するということが、その職員や上司の成績に繋がっていくのですか?
須田)そうですね。それはすなわち、商工中金の存在意義にも繋がってきます。
本当に大変になるのは今後行われる不正融資の回収
高嶋)逆に言えば、政府系なら、別に誰に貸さなくても潰れるわけではないでしょう? なぜそんなに張り切るのだろう?
須田)そこが、やはり経済産業省としては、やはり予算を貰うわけですよ。それを商工中金に持って行くわけです。すると、それを使い切れなければ、経済産業省としては、「必要ない予算を取ったのか?」ということで、翌年から削られてしまう。役人の行動原理としては、「予算をたくさん持ってくる」というのは、優劣に関わりますから。それを使い残されると、やはり経済産業省としては、メンツ丸潰れな状況になってしまうわけです。
ですが、「処分して終わり」ではなく、大変なのはこれからです。不正融資はそのままにはできないので、回収しなければならない。すると、「強引な回収が行われ、場合によっては潰れてしまう会社が出てくるのでは?」というのが、まず1つ。
もう1点は、どうも私が取材によると、暴力団系の企業にも融資している。「本当に回収できるの?」という状況。これからが大変だと思います。高嶋)2011年以降、長いことやっていた。何だか、政府系のものがあまり張り切ると、いいことがありませんね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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