11/21(火)FM93AM1242ニッポン放送『佐藤優のあさラジ!』今日の聴きどころ!①
安倍政権の景色が変わる~プチ鹿島のススめる新聞の読み方とは
6:32~ ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター プチ鹿島(芸人)
複数読んでわかる新聞の情報の伝え方
ひとつの話題でも新聞の種類によってさまざまな見方ができ、読み比べてみることで新たな発見がある。情報の本質を正しくつかむためにはどのような新聞の読みかたがあるのだろうか。『芸人式新聞の読み方』を上梓したプチ鹿島に訊く。
佐藤)プチ鹿島さんは『芸人式新聞の読み方』という本を出していますよね。
プチ鹿島)今年の3月に出させていただきました。新聞を読むのが大好きで、出版にするにあたって本の帯に佐藤さんの推薦も書いていただきました。本当にありがとうございます。
佐藤)とても面白かったです。リスナーの中には朝日新聞は左だからとか、読売や産経は右だからと決めてかかっている人も多いと思います。プチ鹿島さんは、そういう読み方をしたらつまらないよとおっしゃっておりますが、基本的なスタンスを教えてくれますか?
プチ鹿島)たとえば野球場でもホームグラウンドのチムを応援する1塁側とビジターチームを応援する3塁側では座る席によって風景が全然違うと思います。新聞でも安倍政権という野球場があったならホームである1塁側に座っている新聞もあればビジターの3塁側に座っている新聞もある。まずは好みの観客席から見ればいいと思います。でもその見方だけではなくて、たまには反対側の席から「こういう風景が向こう側から見えているんだな」と読み比べてみる。朝日新聞を読んでみたら産経新聞がどう言っているか論調を見比べてみると、ひとつの話題でも全然見え方が違うことがわかります。一紙の論調だけを読むということも一つの読み方ですが、こんなにとらえ方が違うのだなということは6紙読み比べてわかったことです。
佐藤)それはそうですよね。新聞というのは複数読まないと判断を間違えてしまうことが非常に大きいですよ。
点と線で繋げてみると情報戦の全貌が見えてくる
佐藤)何か具体的な事件や印象に残った解説はどんなものでしたか?
プチ鹿島)たとえばテロ等準備罪。読売や産経新聞は政府が言っていたことをそのまま伝えていましたが、朝日と毎日新聞はちょっと距離を置いている。どちらかと言うと3塁側に座っている新聞は“共謀罪”だとしています。
佐藤)共謀罪というワーディングを使う人たちの話は反対に決まっていると。それからテロ等防止法という言葉を使う人は賛成に決まっているからあんまり議論を聞かなくてもいいと。
プチ鹿島)そうです。同じ日に法案が通ったという伝え方でも、言葉の伝え方が全然違うのでこんなに違うのかと。読み比べていて面白かったですね。
佐藤)確かにあの件はそうでしたよね。
プチ鹿島)それから加計学園問題。5月17日に朝日新聞が総理の意向があったと書いた。その次の週の22日になると読売新聞で前川喜平前次官が出会い系バーに通っていたという過去の話をしました。それぞれの新聞を見ているとそっち側の見方しかできませんが、点と点で見るとお互い情報戦が行われているのかなと。
佐藤)官邸と前川さんの代理戦争ですよね。
プチ鹿島)読売だけ読んでいる方は「どうして辞めた方の過去の話が出てくるのかな?」と思ったことでしょう。「前川さんはこういう人物」という情報を誰かが流そうとしているのであれば、前の週の朝日新聞の報復に繋がってくるわけですよね。
佐藤)やはり前次官が現役だったときの総理大臣を攻撃することは霞ヶ関の雰囲気がちょっと違うと同時に、子供や女性の貧困を調査するためにそういうところに行くというのは変な感じですよね。ただし言っていることはしっかりしているでしょう? だけど変な人が正しいことを言っていますという報道はない。変な人だから言っていることも変だろうと。正しいことを言っているから良い人だというどちらかになってしまう。私は変な人が正しいことを言ったのだとあの件は見ていました。
プチ鹿島)あの記事がそういう意味合いがあるということですね。だからこの人を本当に信用していいのですか? という情報の仕掛け。だけど前川さんはそれにめげず3日後に会見をして追求し始めると。だから全部点と線で繋がっているというのがあの時期の報道の読みごたえでした。
佐藤)あれが歴史の過去の思い出になってしまったということはニュースの流れはやはいですね。
プチ鹿島)1年は長いですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00