【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第327回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、12月16日から公開の『MR.LONG/ミスター・ロン』を掘り起こします。
アジアの映画人たちが初タッグ!ハートウォーミングなバイオレンス・ストーリー
ナイフの達人で殺し屋のロンは台湾マフィアを暗殺するために東京・六本木へとやって来るが、ミッションに失敗。北関東のある田舎町へと逃れる。命こそ救われたものの日本語が話せないロンだったが、心を閉ざした少年ジュンやその母で台湾人のリリと出会い、さらに世話好きな住民たちの人情に触れるうちに、次第に人間らしさを取り戻していく。
やがて牛肉麺(ニュウロンミェン)の屋台で腕をふるうことになり、あまりの美味しさから行列が出来る人気店へと成長。そんな幸せな生活を送っているところに、ヤクザの手が迫ってくる…。
『レッドクリフ』『グランドスター』などで知られる台湾の人気実力派俳優チャン・チェンが、日本のみならず世界的に活躍するSABU監督と初タッグ。SABU監督がチャン・チェンをイメージして書き上げたオリジナリティあふれるバイオレンス・アクション映画が誕生しました。
主演はもちろんチャン・チェン。日本語を話せないという設定上、無口役どころではありますが、わずかな表情の変化でロンの心の変化を見事に表現し、観客を魅了します。
また少年ジュン役にはバイ・ルンイン、ジュンの母リリー役に中国のテレビドラマなどで活躍しているイレブン・ヤオ、さらにリリーのかつての恋人・賢次役に『HiGH&LOW』シリーズの九十九役でおなじみの青柳翔を配し、キャスティングも国際色豊かな顔ぶれが勢揃いしています。
殺しの道具であるナイフを包丁に持ち替えて牛肉麺を作ってみたら、これが繁盛して……と、ハードボイルドなテイストでありながら、コメディタッチな要素が垣間見えるのも、本作の面白いところ。
SABU監督作品の持つハード&コミカルなテイストがキラリと光る一作です。
MR.LONG/ミスター・ロン
2017年12月16日から新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・脚本:SABU
出演:チャン・チェン、青柳翔、イレブン・ヤオ、バイ・ルンイン ほか
©2017 LiVEMAX FILM / HIGH BROW CINEMA
公式サイト https://mr-long.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/