トランプ政権「減税法案」成立~すべては来年の中間選挙に向けて
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12/21(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
主要公約が実現するのは今回が初めて
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
トランプ大統領の公約である減税法案が議会通過
トランプ大統領の公約の1つだった大規模な減税法案は、下院で再可決され、既に成立したも同然の状態になっている。これにより、トランプ大統領は就任初年度内に、一通りの公約を実行したことになった。
高嶋)アメリカの下院が減税法案を再可決しました。これで、トランプ大統領が署名すれば成立する。法人税率が35%から21%に引き下げられ、規模は10年で170兆円である、と。それから個人減税も、10年で1兆ドルを超えるということです。
ふと思ったのは、いままでトランプ大統領は公約を果たすのに、大体は大統領令に署名するだけでやりましたよね。山本)“Executive Order”と言われるヤツです。これは大統領の署名だけで成立して、法律と同じ効力が持てるものです。
高嶋)今度は上下両院議会で、上院の方は際どく、51対48だったそうです。これは、相当の成果なのですか?
山本)今度の件をどう見るかという事ですが、大雑把に言って、政権成立1年以内に、彼の言っていた公約を一通り実行して見せた。彼が目指したのがそこだったということでしょうね。
先般のエルサレムの一件もそうだったのですが、年が変わるまでに、「言ったことは俺はやったぞ」ということを見せたかった、ということは明らかですよね。
今度の税率に関しては、確かに法人税の下げは大きいかな、という気がします。アメリカの税制には連邦税と各州の税金の州税の2つがあるのですが、州税を入れた実質法人税率が28%くらいと言われています。なので、やはりこれは法人税下げという石を投げたことになります。
これは日本も、当然考えなければいけなくなってくる。来年の中間選挙へ向け、広がるトランプ大統領の評価の二極化
高嶋)アメリカはいま、好景気ですよね。それでなおかつ減税ということは、来年も沸き立つという事ですか?
山本)それを狙って、特に株式市場の活気を狙っているわけです。現状のところ失業率も低く推移しているので、いまのところは良いと言えるのでしょうが、これがこのまま「良い」で通るかは分からない、ということです。
高嶋)来年の秋、中間選挙があるわけですよね。だいたい中間選挙というと、そのときの政策担当の政党に対し、マイナスの作用が起きる事が多いですが、これでトランプさんは……
山本)今度の法人税から、富裕者層向けの税率上げの問題ですよね。これをどう捉えるかについて、完璧に意見が割れていまして。
リベラル系メディアの世論調査では、例によってトランプ氏に反発の数字が大きく膨らんでいますし、簡単に言うと「トランプさんは良い」と言う人はさらに「良い」と言うでしょうし、「悪い」と言う人は、さらに「悪い」と言う。ロシアゲート問題が中間選挙にどう影響するか
高嶋)トランプさんはこの間海外をずっと訪問していましたが、あれで相当、アメリカ製品を、軍事品を中心に売った。点数を上げましたよね。
山本)ですから、これだけ減税の規模を大きくして、その一方で軍事費は増大しなければいけない。どこかで辻褄を合わせなければいけないわけです。そうなると、アメリカ製の装備はあちこちで売り歩かなければいけない。ということで、日本も大変大きな買い物をすることになるのですが……
高嶋)日本もそれの被害者なのでしょうかね?
山本)被害というか、巻き込まれているということもあるのでしょうが、いずれにしても、これは自転車の回転が上手く合っているのか、かなり危なっかしい運営をやっている印象があります。
高嶋)ロシアゲートで司法取引をやっているフリンさんとの問題。この兼ね合いはどうでしょうか?
山本)これは状況を継続中です。先般のエルサレムの問題は、「このロシアゲートの件をうやむやにしたかったからでは?」とも言われていますよね。だから、これは今後も注目していかなければいけない問題ですし、来年の中間選挙がカギになってくるのは間違いないと思います。
高嶋)もう、その1点に絞っていろいろ動いているわけですね。
山本)みんな、そこに照準を定めていますね。
高嶋)発言は全部、自画自賛で。
山本)これでいくしかないでしょう、この人は(笑)。
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