あなたの「貴重な1時間」は売ることができるのです

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3月16日放送  ゲスト:株式会社「メタップス」代表取締役社長 佐藤航陽 第5回

あなたの「貴重な1時間」は売ることができるのです

20万部突破の話題の本『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の著者。
変わろうとしている経済のかたち・あり方、そして新しい経済をどう歩くか・どう生きるか。
“お金”について考える!


「タイムバンク」とは?

黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺っていく「あさナビ」。ゲストは話題の本『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の著者で、株式会社メタップス代表取締役社長の佐藤航陽さんです。
タイムバンクというものもやってらっしゃいますが、タイムバンクというのは、具体的に「時間経済を具体化」というのは、どう理解すればいいですか?

佐藤)いわゆる会社が株式とかでやれていることを個人がやれていないと。なかなか1人で生きていくことができないな、と。いまフリーランスとかいろいろな方が副業して収入を保とうとしていますが、あまり稼げていないのですよね。何故かというと、「収入を稼ぐ手段」は会社も個人もいくらでもあります。でも、「資産を築く手段」は個人には滅多にありません。会社には株式があって資産を築くことができます。会社の、金融の仕組みが個人にも適用されない限り、なかなか個人が収益を得て1人で生きていくのは難しい。つまり、「組織とかに依存せずに生きていくことが難しいんじゃないか?」ということで、個人が持っている時間を資産にして、自分の生活をしていく仕組みを作りたいなと。

黒木)じゃあ、どうすればいいんですか? それを価値ある物にして、収入にしよう、でしょう? 収入にするためにはどうしたら?


「時間価値」と売る・買う

佐藤)私の時間でいえば、「経営をする」とか「事業する」が1番価値のある時間です。私が歌を歌ったりしても、しょうがない。人によって価値のある時間は違うはずです。そこをちゃんと自分の得意・好きを見極めて、それに対して、購入して、使う人がいる。もしくは、その時間を買って、「コイツの時間価値は将来伸びるよね」と思ったら持っておくこともできる。

黒木)じゃあ、佐藤さんの経済学というか、考え方に「価値がある」と思ったら、佐藤さんの持っている時間を私が買うわけですか?

佐藤)そうですね。50秒とか、100秒とか。

黒木)それで50秒買ったら、「50秒代」として、お金を佐藤さんに払うわけですか?

佐藤)仰るとおりです。それで、もしかしたら、買った時間が、「この人の時間価値はいま1秒で50円だけど、100円になるかも」と思ったら持っておいても構わない。「100円で買いたい」って人がいたら、その人に売ってもいい。

黒木)だけど、これは「佐藤さん」という人はみんな知っている。知らない人でも、その人の時間を買うことができるの?

佐藤)一応、登録すれば可能ですね。ただ、どれくらい需要があるのか、サービス内で可視化していく感じですね。

黒木)バンクサービスをしてらっしゃる、ということはいろいろな人が登録しているわけですよね。

佐藤)はい。それで、そこに「この人の時間が欲しい」というのを投票して、人気のある人から買えるようになっていく仕組みですね。全員が登録して、時間が販売できるわけじゃないですけどね。人々が「欲しい!」って時間が扱われていく。取引所に近いですね。なので、サービスの中では人間以外の時間も扱っています。たとえば「組織」の時間も扱っています。

黒木)組織、というと?


漫画「ドラゴン桜」編集チームの時間価値は“1秒300円”!

佐藤)1番人気だったのは、漫画で「ドラゴン桜」ってありますよね。あれの編集チームの時間を販売したんですよ。それを購入して使うと、「ドラゴン桜」の劇中に出られるんですよ。これは実際、何十人も出ましたね。
こういう価値のある時間ってあるはずだけど、いま全然、そこが収益に変わっていなかったんです。

黒木)それはいま、1分いくらくらいですか?

佐藤)1秒が300円近くだったかな?

黒木)1秒が300円!

佐藤)最初は20円くらいでしたね。やっぱり人気があるので、価値が出ました。

黒木)私も買おうと思えば、買えるんですか?

佐藤)アプリから買えます。

黒木)アプリの名前は?

佐藤)「タイムバンク」です。それがリアルタイムでほぼ動いていますね。価格は常に。

黒木)これからどういう新しいことをしようと、頭の中にありますか?

佐藤)あらゆる時間を使っていきたいですね。人間以外も。キャラクターにも時間がありますからね。あとはさっき言った漫画も時間だし、番組に出られるという時間もある。無限にありますからね。

黒木)そうですね……

佐藤)「欲しい」って言う人もいますからね。そこに価値が付くから、欲しいと言う人もいる。


常に新しい価値観を考える

黒木)やっぱり発想をものすごく柔軟に、自由にしないと、置いていかれますね。

佐藤)頭の体操が必要ですね(笑)。

黒木)いろいろ伺ってきて、「じゃあ、何だったの?」と言われたら、「えっと……ちょっと理解できた」ですね(笑)。

佐藤)「経済というのは、意外と自由なものなんだね」というのがあって、いままでは誰かにカチッと決められたもので「オレらはこの中で生きていく」ってものだったのが、「もしかしたら自分で作れるんじゃないか?」と。新しい価値観が来て欲しい。

黒木)まさに自分のために勉強したってことですよね。そしたらお金の概念が変わっていった。

佐藤)自分で思想したかったのもありますね。

(2018年3月16日放送分より)

あなたの「貴重な1時間」は売ることができるのです

佐藤航陽/株式会社メタップス代表取締役社長
1986年福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立して代表取締役に就任。
2011年にアプリ収益化事業を開始、世界8拠点に事業を拡大。
2013年よりオンライン決済事業の開始。
2015年に東証マザーズに上場。累計100億円以上の資金調達を実施し、年商100億円以上のグローバル企業に成長させる。
現在は時間取引所「タイムバンク」の立ち上げ、フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「Under 30 Asia」などに選出。
2017年に宇宙産業への投資を目的とした株式会社スペースデータを設立。代表を兼任。

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