著書『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』とは?
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3月12日放送 ゲスト:株式会社メタップス 代表取締役社長 佐藤航陽 第1回
20万部突破の話題の本『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の著者。変わろうとしている経済のかたち・あり方、そして新しい経済をどう歩くか・どう生きるか。“お金”について考える!
「100万円の貯蓄をしている人」と「100万人のフォロワーがいる人」の価値の違い
黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺っていくあさナビ、ゲストは株式会社メタップスの代表取締役社長、佐藤航陽さんです。今大反響を呼んでおります。もうすぐで20万部突破という本、幻冬舎刊『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』。すごい反響ですね。
佐藤)私たちも驚いてはいます。もう少し部数はいかないのではないかという話をしていたので。
黒木)詳しいところはこれからいろいろと佐藤さんに伺おうと思いますが、分かったことは、お金の価値というものはこれから変わっていくのだという認識ができたということと、価値観というのはお金に無い情報の価値観。
ご本の中にもありましたが、「100万円の貯蓄をしている人」と「0円の貯蓄だけれども100万人のフォロワーがいる人」、どちらが価値があるかって書いてありましたよね? そのことがすごく私には響きました。
佐藤)人によって何に価値を感じるかということは、だいぶ違ってきたよねっていうのが、ようやく見えてきたという状況になりますよね。
若者は、フォロワーが多く、SNS上で知名度があった方が価値があると感じますし、年配の方は1億円とか100万円の方に価値があると感じる。
本来価値というのは相対的な物ということがようやく見えてきたというのはありますよね。
お金“1.0”と“2.0”の違い
黒木)そういうようなことを書かれてあるのですけれども、まあそこの最初のタイトルである「お金2.0」と。
元々の既存の金融の延長線上にあるものを“1.0”と。“2.0”というのは近代に作られた金融の枠組みを無視して全くゼロベースから再構築したものだと書かれてあります。そのお金2.0の再構築した、今までの既存のものを無視してという……その辺を分かりやすく教えてもらって良いですか?
佐藤)金融の仕組みって大体300年400年前位に作られたものが多いんですよね。株式とかもっと前かな。あとは資本という概念だったり、BS、PLという会計の英語も全て2~300年前のものです。私たちの価値観というのは基本的にはその時代のヨーロッパだとかアメリカの金融の仕組みを元に作られています。
今、起きている仮想通貨、ビットコイン、ブロックチェーンというのはそこを、ゼロベースからインターネットを使って、今の時代に合ったものを作ろうというので作られたものです。なので金融の過去の何百年前の概念を元に考えると分からなくなるんですよね。
黒木)まあどっちが良いとかではなく、違うものだと。
佐藤)仰る通りです。
黒木)違う物だけれども、では違うものを教えて頂こうということで。
例えば今ビットコインでニュースになったとすると、「ああいうのは危ないんじゃないか」とか「仮想通貨って信用ならないんじゃないか」とか思いがちですが、その辺どうなんですか?
銀行や証券が知見のあるおじいさんならば、仮想通貨は経験の少ない若者
佐藤)そういう意味ではまだ新しい、できたばかりのものなので。
銀行とか証券とかいうものを人間に例えるなら、おじいさんとかおばあさん。そのくらい、知見も溜まってきて、様々な問題も試行錯誤しながら整ってる状態にある。
一方で仮想通貨とかブロックチェーンというのは、言ってみれば幼稚園児や小学生ぐらいで危なっかしいんですよね。いろいろな問題も起こしますし、転びますし、ケガもしますし。それが大人になっている状態と考えて頂いた方が良いですね。
だから徐々に成熟してくと思います。今回の問題も起きたので多分、政府含めてみんな気を付けようと、セキュリティに対する意識を考えようということで世の中が徐々に賢くなってきている。既存の金融の仕組み、お金の仕組みよりは遥かにまだ穴があるので、そこを若者だったり新しい物好きな人たちが埋めていっているという状況ですね。
黒木)国のお金にしても作られるようになったのは、ここ100年ぐらいだと。昔からお金ってあったのかなって勘違いしてるんですよね。それが違うと書かれてあったので、あ、そうなんだって思いました。
佐藤)よく調べてみると、銀行が昔自分で紙幣発行して、というか債券発行して、それがいろいろな銀行が勝手に発行する債券が、まるで今の仮想通貨みたいな扱いだった時期があったんですよね。そこでイギリスが1回束ねようということで、この銀行が発行する紙幣というものを国の通貨としようということで、今の仕組みが始まります。アメリカと日本がそれをコピーして、「あれ上手くいっているから俺らもやろうぜ」と始めて、今の体制ができるのですね。
黒木)それがたったの100年前?
佐藤)2~300年前に始まりが起きた。その後、第一次世界大戦の後から急速に発展しますね。
黒木)やはり近代なんですよね。
佐藤)そうですね。意外に私たちがずっと永遠に続いてきたものと思っているものは、そうでもないなというのが分かっているので。まあ確かに100年に比べればまだビットコインとか仮想通貨の10年というのが浅いとは思いますけどね。
佐藤航陽/株式会社メタップス代表取締役社長
1986年福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立して代表取締役に就任。
2011年にアプリ収益化事業を開始、世界8拠点に事業を拡大。
2013年よりオンライン決済事業の開始。
2015年に東証マザーズに上場。累計100億円以上の資金調達を実施し、年商100億円以上グローバル企業に成長させる。
現在は時間取引所「タイムバンク」の立ち上げ。フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「Under 30 Asia」などに選出。
2017年に宇宙産業への投資を目的とした株式会社スペースデータを設立。代表を兼任。
(2018年3月12日放送分より)
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