仮想通貨を利用するには、まず何をすればいい?

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3月13日放送  ゲスト:株式会社メタップス 代表取締役社長 佐藤航陽 第2回

仮想通貨を利用するには、まず何をすればいい?

20万部突破の話題の本『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の著者。
変わろうとしている経済のかたち・あり方、そして新しい経済をどう歩くか・どう生きるか。
“お金”について考える!


「株式会社メタップス」とは?

黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺っていく「あさナビ」。ゲストは話題の本「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」の著者で、株式会社メタップス代表取締役社長の佐藤航陽さんです。株式会社メタップスというのは、どういったことを運営していらっしゃるんですか?

佐藤)事業が3つありまして。1つは決済ですね。お金の移動。オンライン上で物を買うときにクレジットカードを使ったり送金したりしますよね。その後ろ側の基盤をうち側(私の会社、株式会社メタップス)でやっています。

*インターネット上でのクレジットカード決済や実店舗でのクレジットカード端末機を使った決済、コンビニ決済、電子マネー決済などをお客様のニーズに沿った決済ソリューション。

黒木)たとえばネットでお買い物しますよね。そのときにカード番号を入れたりしますよね。それは相手の人が処理しているのではなく、佐藤さんの会社が?

佐藤)仲介していますね。それをうち側(私の会社、株式会社メタップス)のシステムで基盤を支えているような……インターネット上の銀行のようなイメージですかね。あとはいわゆるビッグデータですね。オンライン上のデータを分析して、ユーザーがどう動いているのか解析しながらマーケティングや広告の手伝いをするということもやっています。最後はto C向け、消費者向けにアプリを作っています。いま「時間を販売する」ってサービスを作っています。

黒木)タイムバンクですね。

佐藤)はい。本の中で紹介している物ですけど、こういう事業をやっています。どれもお金とか金融とか、経済に絡んでいる事業でもあります。

黒木)これを大学の途中で考えられた?

佐藤)大学1年生くらいのとき、弁護士になろうと思って大学へは入学したのですが、「こっちじゃない」と思って急遽方向転換しました。そこからいまの形を10年で作ってきました。だいぶ事業は変わりましたが。


仮想通貨を利用するには何からはじめたらいい?

黒木)話は変わりますが、仮想通貨って、たとえば私が「利用しよう」と思ったら、何から始めればいいんですか?

佐藤)どうでしょうかね。多分、いま99%が投資というか、投機に近いような……

黒木)投資に、投機?

佐藤)多分、値上がり目的でみんな買っていると思います。

黒木)株式と一緒ですか?

佐藤)近いですね。資産に近いです。不動産、株式……実際にそれがアプリケーションとか送金に使われているのはあまりなくて。それが「おかしいんじゃないか」と批判をされている状況だと思います。


ビットコインの仕組みはどうなっている?

黒木)ビットコインはどういう意味ですか?

佐藤)ビットコインは、もともと誰か分からないのですが、サトシ・ナカモトという、日本人と言われていますが、正体不明の方が1つの暗号論文を書いた。その論文を世界中のエンジニアが見て「面白い!」と言って作り上げたのが、いまのビットコインの仕組みです。なので、所有者も創業者もいないのですよ。不思議ですけれど。

黒木)そのビットコインの仕組みは、どういう風になっているのですか?

佐藤)ビットコインで面白いのが、信用の概念を全然切り替えているのですよ。いままでは「国家」が信用を担保してきた。通貨に関しても、アメリカ政府や日本政府。日銀が「価値を支えてくれているだろう」という信用のもとに通貨は成り立っていますが、「それが無くてもイケるんじゃないか?」と……。

黒木)信用が無くても?

佐藤)はい。世界中の人たちが、マイニングと言うのですが、スゴい計算をします。計算の競争をしている。競争しながら、日々の取引がおかしくないか、チェックしている。

黒木)でも、最初はお金で買うのですよね?

佐藤)そうですね。他の通貨で買ってもいいし、自分でマイニングして掘ることもできます。

黒木)掘る? どういう意味ですか?


1番早く答えにたどり着いた人が賞金としてビットコインを貰うことができる

佐藤)コンピュータをバァッと計算していって。さっき言った全員が競争するのです。世界中の人が計算している。それで、1番早く答えにたどり着いた人が賞金としてビットコインをもらっている。なので、「いわゆる中心に誰かが、銀行や国がいなくても、全員がバラバラでも成り立つ通貨の仕組みを作ろう」というのが元々の始まりです。中国の最大手のビットコインを掘る人たち(マイナー)は工場を借りて、そこにコンピュータを並べて、1日中ずっとコンピュータで計算し続けている。それでビットコインを掘っているイメージです。

黒木)掘ることで1番になったら貰える、ということ?

佐藤)そうです。だから、掘るインセンティブがある。そして、彼らがいるからこそ取引がおかしくないと証明されている、という仕組みです。

黒木)聞けば聞くほど、難しいですね。

佐藤)作った人は、かなりの天才だと思いましたよ。これにはいろいろな理論が絡んでいて。いわゆるゲーム理論と言われる、「誰がズルをしたら、誰がどう動く?」という人間の行動を……経済学に近いかな? それの仕組みだったり、金融の仕組み。後は暗号の仕組み。
コンピュータやネットワーク理論。いろいろな学問を混ぜたものです。
だから、初期の人たちはあれを見て「すばらしい!」、「こんなの書ける人いるんだ!」ということで熱狂した人たちが、いまの土台を作ったわけです。

黒木)スゴく興味あるけど、理解するまでに時間がかかりますね。

仮想通貨を利用するには、まず何をすればいい?

佐藤航陽/株式会社メタップス代表取締役社長
1986年福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年に株式会社メタップスを設立して代表取締役に就任。
2011年にアプリ収益化事業を開始、世界8拠点に事業を拡大。
2013年よりオンライン決済事業の開始。
2015年に東証マザーズに上場。累計100億円以上の資金調達を実施し、年商100億円以上のグローバル企業に成長させる。
現在は時間取引所「タイムバンク」の立ち上げ、フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「Under 30 Asia」などに選出。
2017年に宇宙産業への投資を目的とした株式会社スペースデータを設立。代表を兼任。

(2018年3月13日放送分より)

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