アメリカのシリア攻撃の可能性は「とても大きい」!? 

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4月12日  FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!④

キーワードは「アメリカのシリア攻撃」
7:27~教えて! ニュースキーワード:コメンテーター末延吉正(ジャーナリスト)

シリア 東グータ 地区 アレッポ

シリアの東グータ地区の市民を北部アレッポに移送するバスの割れた窓から、外を見る子供たち=2018年4月10日(ゲッティ=共同) 写真提供:共同通信社

アサド政権と反アサド政権~まるで昔の東西冷戦の再現

アメリカのトランプ大統領は11日、シリアのアサド政権を支援するロシアに対し、「民間人への化学兵器による攻撃への報復として、アメリカのミサイルがやって来る」とTwitterで警告した。

飯田)アメリカのこの動きに対して、フランスとイギリスも同調していますが、さてどうなるか? 中東情勢が深刻化していくと、日本としては油の値段が上がっていくのがまずありますが、それだけじゃないですよね。

末延)アサド政権の後ろはロシアと、そしてイランなのですよ。シーア派の大国ですよ。この2つが後ろにいる。一方の反アサド政権は、アメリカ、イギリス、フランス。いわゆる西側の国です。まるで昔の東西冷戦の時代が蘇ったような、ガチンコになってしまっている。
そこで、今回のアサド政権が、実は内戦が始まって、もう12回ロシアは安保理で拒否権をやっている。何のためかというと、「化学兵器をシリアが使ったのでは?」という報告が来ている。しかも、この化学兵器は、北朝鮮が最も世界で有していると言われていて、「北朝鮮・シリアルート」というのがあるのです。そこで作った、いろいろな……これは「貧者の核兵器」と言われていて、安く簡単に作れて、保管も簡単なのです。従って、化学兵器が核兵器に負けず劣らず、非常に怖い兵器で。それをアサド政権はかつて使った経験がある。そういうことで、アメリカのトランプ大統領も、「人道的問題だ」と強く反発しているのですが、軍事オプションでトマホークを前回に続いて撃つようなことがあると、ロシアも退けなくなります。

飯田)「今回は駐レバノンのロシア大使もすべて撃ち落とす」みたいなね……。

アメリカとロシアの情報戦争でもある

末延)そう。ものすごく挑発しているでしょう? プーチンさんが大統領に再選したばかりですよ。70%以上の得票率で。しかも、ロシアの状況は、いまほとんどのメディア、テレビが国営化されているのです。
だから、ロシアのテレビでシリアのレポートを見ていると、「毒ガスを使った」というのは「反アサド政権から出ている情報で、私が取材する限り、そんな物は見えない」とレポートしている。

飯田)「アサド政権が使ったわけじゃない。フェイクニュースだ!」と。

末延)だから「国連で調査団を出すと言っているが、そんな問題じゃない」と。そう報告しているのです。ロシアの人はそれを見た上で、「愛国者プーチン大統領頑張れ!」となるわけです。その辺が、我々と情報が全然違う。だから、シリアの問題を見るときいちばん大事なのは、「情報の発信源がどちらか?」です。これは大学でジャーナリズムを教えるとき、学生にもネットを見たときに、「オリジナル情報はどこかを気をつけて」と言うのですが、この問題はまさに気をつけないと。情報戦でもあるのです。

飯田)アメリカはアメリカで、前回あれだけ攻撃をした1年前があって。今回、これで攻撃しないと、「トランプ、何やってるんだ」となるわけですよね。

末延)なります。特に国連を含め、化学兵器を使ったということは、アサド政権はかつても使っているから、これは人道的問題なので、国際世論は攻撃も許容するのです。逆に言えば、トランプさんの前のオバマさん。彼は「いっさい軍事行動はやらない」と理想は語ったけれど、やはりアメリカは力の行使を見せないと、国際政治の中で力を保てない。そういう意味では、トランプさんは大いに行動に出る可能性があります。

飯田)中間選挙も近いです。何をするかわかりませんね。

末延)いや、大いにあり得ると思いますよ。

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