【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第392回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、4月13日に公開したばかりの『劇場版名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)』を掘り起こします。
謎の男VS名探偵、大規模爆破事件の真相に迫る!
20年以上の歴史を持つ劇場版『名探偵コナン』シリーズが、近年稀に見る大躍進を続けていることをご存知でしょうか。
1996年からアニメ版が放送され、翌年から劇場版がスタートした同シリーズ。毎年春シーズンに劇場版が公開されファミリー層を中心に賑わいをみせている中、2013年公開の第17作『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』以降、5年連続でシリーズ歴代最高興収記録を更新。昨年公開の第21作『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』は2017年の邦画ナンバーワン最終興収を叩き出したのです。
それだけに、シリーズ最新作となる『劇場版名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)』への期待も否応なく高まるところ。国民的アニメに成長した同シリーズが、これほどまでに支持される理由とは?
サミット開催の地となる東京湾の新施設「エッジ・オブ・オーシャン」。開催される5月1日にはおよそ2万人もの警察官が出動するというこの巨大施設で、大規模爆破事件が発生する。事件の裏には、全国の公安警察をコントロールする警察庁の秘密組織、通称“ゼロ”に所属する安室透の影があった。サミット当日ではなく開催前に爆破事件が起こったことと、安室の不可解な動きに違和感を抱く江戸川コナン。
そんな折、爆破事件の現場から、かつて警視庁に在籍していた毛利小五郎のものと一致する指紋が発見され、事件の容疑者として逮捕されてしまう…。
劇場版第20作『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』に続き、安室透がメインキャラクターとして登場。謎に包まれた安室の存在に振り回されながらも、大規模な爆破事件の真相を追う江戸川コナンの活躍をダイナミックに描いています。
おなじみのメンバーに加えゲスト声優として登場するのは、『名探偵コナン』シリーズの声優を務めるのは12年ぶりとなる上戸彩と、コナン声優初挑戦となる博多大吉。さらに主題歌は、福山雅治が担当。福山自ら脚本を読み込み、今作の世界観を追求した「零 -ZERO-」を書き下ろしました。
『名探偵コナン』シリーズ最大の魅力は、何と言っても“謎解き”の面白さ。本格的ミステリーとしての醍醐味は子どもはもちろん、むしろ大人になってからの方がその奥深さは堪らないトコロ。極めて正攻法な作品作りこそ、同シリーズヒットの法則と言えるでしょう。
加えて、ライトなファンもコアなファンも掴んで離さない、その裾野の広さも、他の劇場版アニメシリーズとは一線を画す独自の特徴として挙げられるのではないでしょうか。映画館にたまに足を運んで観ても楽しめる。
そして、シリーズ全編に散りばめられた伏線やストーリーの背景を丹念に追いかけていくことでもっと楽しめる。原作の持つ確固たる世界観を守りながらも映画としての面白さを追求する、その“ゆるぎなさ”が人気の所以なのかもしれませんね。
名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)
2018年4月13日から全国東宝系にて公開
原作:青山剛昌 「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:立川譲
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、古谷徹 ほか
スペシャルゲスト:上戸彩、博多大吉
©2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
公式サイト http://www.conan-movie.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/