AI兵器~日本も専守防衛のための研究は必要

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4月13日 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!④

キーワードは「AI兵器」
7:27~教えて! ニュースキーワード:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

韓国・科学技術院の防衛AIプロジェクトに対し研究者たちがボイコット

韓国の大学、科学技術院が今年2月にクラスター弾を製造する韓国の防衛企業ハンファシステムと共同で、防衛AIプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトが世界の研究者たちからAI(人工知能)を搭載した兵器を作るものではないかと疑われており、世界の研究者およそ50人が今月上旬にこの大学との交流中止、ボイコットを呼びかける一幕もあった。しかし先日、科学技術院が自立兵器システムや殺人ロボットを開発する計画は無いと表明し、ひとまず騒動は収まった。

飯田)AIを使った兵器がもう現実のものになってきています。

AI兵器の時代が来る

宮家)まずAIが何かということですが、人工知能ですよね。昔からブームはあるのだけれど、近年の計算速度のスピードと、ビッグデータを処理するようになったということ、深層学習(ディープラーニング)と言いますが、プログラム自身が勝手に勉強するようになったわけです。これを製造業ないしいろいろな形で応用すればいいのだけれども、当然軍事に応用しようとする人が出てくる。それがAI兵器です。
AI兵器ができるとどうなるかというと、今まで人間がマニュアルでやっていたこと、もしくは人間が人海戦術でやっていたことを機械が自律的に攻撃をしたり、銃を撃ったりするわけです。無人化が進む、仕事の内容が正確になる、更にこれは極めて早い段階で迅速にできるわけでしょう。例えばジェット機をAIの兵器にすれば、人間の反応速度は決まっているわけだから、それを遥かに超えるスピードでやってしまう。
しかし、それで良いのかと。確かに無人化できるから、兵隊は死ななくてすむかもしれません。だけどそれは人道的にいいのか、機械が勝手に人を殺しちゃっていいのか。倫理問題が発生しないのかという議論は当然あるわけです。
ただこのAIが兵器化されるのはもう時間の問題ですよ。たまたま韓国でこうなっているけれど、アメリカだってロシアだってみんなやっていますから。その時代がもうすぐ来る。80年代に精密誘導兵器ができてサイバー兵器ができて、それから宇宙兵器ができたわけでしょう。それと同じようなことがAI時代になれば兵器が変わる、即ち戦略が変わっていくということですよ。ですからその為にはあの程度の研究はしなくてはならないと私は思います。

飯田)これは人間じゃ勝てなくなってきて、どんどんAI対AIになっていくということですか?

宮家)今の段階では、AI兵器なるものが人間を無視して勝手に始めるほどAI技術が伸びているわけではないですが。

飯田)コントロールは最終的に人間がするという形ですね。

宮家)今の段階ではそうだと思いますが、人間を超える部分がどんどん出てきていて、それが倫理的な問題を生じかねないということですよ。

日本も必要な「専守防衛のためのAI兵器の研究」

飯田)それに対して言うと、持っているか持っていないかで全然変わっちゃうと。

宮家)そうなんですよね。アメリカのいろいろな研究者の論文を読んでいると、非常に面白い。まずAI兵器が暴走したら困るので安全性をしっかりしなくてはいけない。もう一つ大事なことが、AI兵器で来るならこちらはカウンターAI、即ち対抗措置ですよね、対抗措置もAIでやらなくてはいけない。人間では敵わない、相手はAIだから。
ということで日本はこれを全部タブー視するのではなく、これから日本に対してAI兵器で攻撃される可能性があるのだから、日本は同じような物を持つかは別として、そのような攻撃を受けたときに、どうやって対抗するかという意味でのAIの研究はしなければならないと私は思います。

飯田)専守防衛。

宮家)ええ、専守防衛の為のAIですよ。そういう概念はあるかどうかわからないけれど、それをやらないとAI兵器にやられちゃいますよ。

飯田)専守防衛だったら憲法に引っかかるわけじゃないですね。

宮家)引っ掛からないと思いますけどね。問題はAI兵器が出てきたときにその弱点を見つけて、そこを攻めることによって向こうの攻撃を抑止する。これは防衛的なものだと思います。

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