現在のような“お米に、ちょうど良い水の量を加えてご飯を炊き上げる”ことを『炊き干し法』と言います。この炊き方が定着したのは、江戸時代になってからです。
炊飯器が誕生するまでは、台所に造られた竈に火をおこして、分厚いフタを乗せた釜(羽釜)で炊いていました。火をおこすための薪を用意したり、竹の筒を使って火の勢いを調節したりと、大変な作業でした。
その後、明治時代後半に薪の代わりにガスを使った『ガス竈』が登場しました。さらに1921年(大正10年)には、羽釜の下に電熱器を組み込んだ『炊飯電熱器(飯炊電熱器)』が誕生しました。これによって、羽釜を保温状態にすることが出来て、ご飯を炊く時の熱の効率が良くなったそうです。
その3年後には、羽釜ではなく鍋に電熱器を組み込んだ『電気釜』が発売されました。しかし、技術的にも未完成で、上手に炊けなかったこともあって普及するまでには至らなかったそうです。
当時、台所仕事の中でも、特に“ご飯を炊く”という作業は女性にとって大きな負担となっていました。そうした負担を軽くするために、お米と水を入れてスイッチを押すだけで、自動でご飯を炊き上げてくれる『電気釜』の開発が求められました。
そして1955年(昭和30年)、現在の『東芝』が『自動式電気釜』の開発に成功しました。この発明者は『東芝』の協力会社の社長さんをされていた三並義忠(みなみ・よしただ)さんです。『東芝』から『自動式電気釜』の相談を受けた三並さんは早速、開発に乗り出しました。
(2018年4月10日放送分より)
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