5/3 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①
野党6党~連休明けに国会審議復帰検討
7:10~お早う! ニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
審議拒否していた野党6党が復帰しようとしている
立憲民主党など野党6党は昨日、連休明けに国会審議に復帰する検討を始めた。加計学園の獣医学部新設を巡り、「柳瀬唯夫元総理秘書官が、学園関係者と総理官邸で会ったと認める意向を固めた」という報道を受け、野党間の調整を始めた。
飯田)元は証人喚問を求めていた柳瀬氏の案件ですが、「参考人招致でもいい」と。これはちょっと折れた、ということですか?
鈴木)そもそも最初から「参考人なら」と自民党も言っていた。そして、それを「絶対ダメ」と言っていた。それを、「参考人か。じゃあ、今度は復帰しよう」と。これは何かおかしいじゃないか、と思うかもしれません。
「野党の審議拒否はどうなのか?」が、いろいろな見方が出ていますよね。むしろ、世論としては厳しいんじゃないかな。つまり、国会に出てこないことにより、いろいろ止まっている。「働き方改革とか、どんどん進んでいるんだから、このまま行っていいのか」、そういう批判が多いと思います。
審議拒否自体は野党戦略としてはアリ
飯田)日経とテレビ東京の調査で、6割越える方々が「野党の審議拒否の形はどうかと思う」と答えていますね。
鈴木)今後どうなるのか。リアルタイムの政局の話は置いて、「審議拒否」ということだけにちょっとだけ触れると、基本的には野党の国会戦術としては、審議拒否はあるのです。野党は数が少ないけれど、それなりの国民の、少数派の声を反映して国会に来ているわけです。そういうものを背負っているけど数で勝てない。その場合どうするか。それで、物理的抵抗です。これは本当に昔からずっとあったのです。
飯田)昔からいろいろありましたよね。
鈴木)そう。トラブルがあれば必ず審議拒否してね。それで、交渉ですからハードルの高いことを互いに言い合い、妥協していく。野党は野党で戦っている姿を見せる。もしくは、審議拒否という物理的抵抗をする。これはある意味では、審議をどうするか、自民党が野党のときも同じことをやっている部分もあったりしたわけで。
私は審議拒否というのは世論を見ながら、どこまで行くと、抵抗が上手く行くとか、そういうのがあると思うのですよ。だから、審議拒否自体を否定してはいけないと思うのです。
飯田)これも戦術の1つである、と。
問題は審議拒否の代わりに何を行動するか
鈴木)いまの野党に決定的に欠けているのは審議拒否をしたら、代わりに何をするかです。つまり、「朝9時から夕方5時までの委員会をボイコットするなら、その間どこで何をしているの?」という話です。
私は少なくとも、この朝9時~夕方17時まで、街頭に立てと言いたい。国会という舞台で、国民の代表たちが議論する。その委員会をボイコットするなら、やはり同じように、国民が舞台の街頭に立ち、朝から「どこが問題なのか」を主張を訴え、一生懸命に説明する……こういうことをやるべきと私は思う。「#MeToo」も分からなく無いけど、これは国民が見てどう思うか。こんなの、安易とは言わないけどパフォーマンスにしか見えない。
たしかに審議拒否というのは数が少ない野党は戦術として取らざるを得ない。だけど、審議拒否後に、代わりに何をやっているのか。それを見られている。いまの野党には危機感というか、緊張感というか、より深い戦術というか……もっと正直さとか、そういうのが足りないと思います。
飯田)目前に選挙があったりしたら、やはり街頭に立つとか、あるんでしょうか?
鈴木)でも、選挙のために街頭に立つわけじゃないし。古臭い言い方だけど街頭で、大衆のなかに分け入るのは政治の基本じゃないですか。
飯田)耳をすますというか、本当はどう思っているか、聞きに行くわけですよね。
鈴木)そうです。それで、通行人の足を止めることができるか。止まらずとも一生懸命分け入っていく。それはメディアを使って「#MeToo」とパフォーマンスすることではないと思います。
結論ですが、審議拒否は野党の戦術としてはアリ。だけど、出ない代わりに野党は何をやるのか? ここが少し足りないと思うのです。
野党側の要求に対して無回答に等しい答えをしてしまった与党
飯田)今回、この審議拒否にあたり、立憲民主党の辻元国対委員長が、復帰する4条件みたいなものを出してましたよね。どうして手の内を全部明かしてしまうのか、私は驚きましたけど……
鈴木)これは交渉ごとなので、まず高めに要求するのです。お互いに高いボールを投げ合い、塀を低くして妥協するわけだから。
あの4項目は、たとえば「麻生さんが辞任しろ」と言われて「はい」と言えないわけでしょう。だから、4つ全部通るとは限らない。ただ、いままであの4つに対して与党として答えてきたものは、無回答に等しいと思います。だから、もう少し、4つある内の2とか、2.5とか、それくらい与党が示さなければならなかった。
それと、このいろいろな一連の問題は、実は野党より与党も試されていると思います。特に、「公文書書き換え」は歴史を書き換えていることでもあるし。立法府をある種騙してきて、今後も騙すことをやってしまうかも。これは野党も与党もない。だから、与党がこういう問題に対してどう対処するか、与党も見られているのです。どれだけこの横綱相撲ができるかにより、政権支持率も上がっていったりする。だから、私はこの局面で難しいのは、野党よりむしろ与党が、どういう風に堂々と対応するか。その点で見ると、4項目に対しての回答が足りなかったのは、与党も責められるべきだと思います。
GW明けは審議すべき議論とこれまでの問題が再燃する国会となる
飯田)国会の方は、昨日もGW中はやらないと思ったら開いて、働き方改革実質審議入り。6党欠席のなかで質疑ももう始まってしまっているので、これはここまで動いたから野党も「マズい」と思ったのでしょうか?
鈴木)その通りです。国会対策的にはそうです。このGWの間に開くことで、世論は「野党は何してる」となるでしょう? この辺が与党の上手さというか、戦術的なものもある。ただ、働き方改革法案は、いろいろ抜けているなかで提出されているわけだから。しかも、我々の働き方、特に若い人にとって、大変に大事な法律なのです。だから、これも審議をしっかりやらならなければいけないのは間違いない。私は野党が復帰してこの法案とかをやっていくのはいいと思います。
ただ、政局と常に隣り合わせなので、これからGW明けのポイントは、柳瀬さんが出てきて「実は会ったかもしれない」というのは、「あれだけ否定してきたのに、証拠が出てきて急に会ったとはどういうことだ!」というのと、「総理案件かどうか?」という部分。参考人が出てくれば、これは大問題になってくる。野党の追及もさらに強まるので、国民にどう映るか。次の支持率も含め、政局の大きなポイントになってきますよね。
だから、審議に戻ってやるべき部分と、いままでずっと続いている政局の中心になっている問題は再燃する……そんな国会になっていくと思います。
飯田)記録をとるとか、その公文書をどう管理するかとか、ある意味行政府と立法府の、3権分立の2つの権力主体のせめぎ合いというか、戦いみたいなところもありますよね。
鈴木)そうですね。
飯田)これ、立法府で、野党も与党もなく超党派で議論するなり、行政府と対峙する形は、なかなか作れないものですかね?
鈴木)いや、やるべきでしょう。だから、それをリードするのはやはり野党ではなく与党ですよね。だから、「野党はいろいろ言うけれど、これだけ言うことは聞いて上げるから、一緒にやろう」と。横綱相撲と表現しましたが、こういう形で行政と対決しないといけないですよね。
再発防止策検討より前に、事実関係をハッキリさせるべき
鈴木)ポイントは、公文書書き換えとか、事実関係がまだ明らかになっていない。なのに、再発防止と与党側が言うのは、逃げだと思います。だって事実関係が分からないのに再発防止策というのは……だから、与党のやることは、公文書云々とか、事実関係をハッキリさせることです。その次に、野党も一緒に「再発防止をどうするか」と。「文書管理の法改正しよう」と自民党も言い出していますが、まずはその前に事実関係をハッキリさせないといけない。
飯田)まだ検察も動いている最中という話もありますからね。
鈴木)そうです、これも結果出てきますしね。そういうのを見据えてから、と具体的にはなりますよね。まずは事実関係ですよ。
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