ご主人、奥様の“本音”に気づいてますか?『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第414回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、5月25日から公開の『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』を掘り起こします。


いなくなって、そのありがたさが初めて分かる?!


「現代の家族を喜劇で描きたい」という巨匠・山田洋次監督の強い希望のもとスタートした『家族はつらいよ』シリーズ。

熟年夫婦に橋爪功×吉行和子、長男夫婦に西村まさ彦×夏川結衣、長女夫婦に中嶋朋子×林家正蔵、次男夫婦に妻夫木聡×蒼井優と、いつも賑やかな平田家の人々が直面する大騒動をユーモアたっぷりに描く人気喜劇映画が、スクリーンに帰ってきました。

何かとお騒がせな平田家、今度はなんと、長男の嫁が家出してしまいます。


平田家長男・幸之助の嫁、史枝がコツコツ貯めていたへそくりが、何者かに盗まれてしまった。落胆する史枝をよそに、「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」と心ない言葉で怒りをあらわにする幸之助に対し、史枝の我慢はもう限界。ついには家を飛び出してしまう。

日頃は掃除、洗濯から三度の食事の準備まで、平田家の主婦として家事全般をこなしてきた史枝がいなくなり、さらには母親の富子の体調も良くないことから、父親の周造が掃除や洗濯に手を出すも、慣れない家事に四苦八苦するばかり。予期せぬ緊急事態に、平田家は大混乱となるが…。


第1作では「熟年離婚」、第2作では「無縁社会」をテーマにしてきた同シリーズ、今作のテーマは「主婦への賛歌」。専業主婦がどれだけ大変な仕事で、家族にとって主婦という存在がいかに重要か。女性が抱える不満や本音が随所に散りばめられたエピソードの数々には、笑いと共感がたっぷり。

一方で、本作を「妻への賛歌」と公言する山田洋次監督の優しい眼差しが浮き彫りとなっています。近年「主婦の家事労働は年収に換算するといくらになるか…」という話題をよく耳にしますが、主婦業というのは家族への無償の愛も含めてプライスレスなもの。代価そのものよりも感謝や思いやりの気持ちを忘れずにいたいものだと、改めて気付かされることでしょう。


家庭内の些細な出来事をテーマにしているようで、実は家族にとっては大切なテーマを掘り下げている同シリーズ。実は上映中の試写室内でも、評論家やマスコミ関係者の“頷き率”が非常に高いんですよ。

家族の物語は、誰にとっても普遍的なもの。『男はつらいよ』同様、山田洋次監督の人気シリーズとして、広く長く支持されていくことでしょう。


妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ
2018年5月25日から全国ロードショー
原作・脚本・監督:山田洋次 脚本:平松恵美子 音楽:久石譲 
イメージポスター・タイトルデザイン:横尾忠則 
出演:橋爪功 吉行和子 / 西村まさ彦 夏川結衣 / 中嶋朋子 林家正蔵 / 妻夫木聡 蒼井優 藤山扇治郎 小林稔侍 風吹ジュン 木場勝己 立川志らく 笹野高史 笑福亭鶴瓶 ほか
©「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」製作委員会
公式サイト http://kazoku-tsuraiyo.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/


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