生田斗真×瑛太、生きることの意味『友罪』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第416回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、5月25日公開の『友罪』を掘り起こします。


薬丸岳のベストセラー小説を瀬々敬久監督が渾身の映画化

生田斗真×瑛太、生きることの意味『友罪』
江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。その後も吉川英治文学新人賞や日本推理作家協会賞などに輝く薬丸岳。犯罪の周囲にうごめく人間の心理にスポットライトを当て書き続けている彼が、実在の事件から着想を得て綴ったベストセラー小説「友罪」が映画化されました。

メガホンを取ったのは、『ヘヴンズストーリー』『64 -ロクヨン-』などの代表作を持つ、瀬々敬久監督。

これまでも人間の本質を問う重厚なテーマを掘り下げてきた瀬々監督が、少年犯罪を題材に“生きる”ことの意味を問いかけます。

生田斗真×瑛太、生きることの意味『友罪』
生活のために町工場で働き出した元週刊誌ジャーナリストの益田は、同じ時期に働き始めた鈴木という男と出会う。無口で影のある鈴木は周囲の人間とは交流せず、自分の過去についても語ろうとしなかったが、同い年の二人は次第に打ち解け、友情を育んでいく。

そんな中、彼らが住む町の近くで児童殺人事件が起こり、SNSでは17年前に日本中を震撼させた凶悪事件との類似性を指摘する噂が。当時14歳だった“少年A”はすでに出所していて、今回の犯行も彼の仕業ではないかと言うのだ。

この事件がきっかけで、益田は鈴木が17年前の連続児童殺傷事件の犯人なのではないかと疑いを抱くようになり、調査を始めることに。それは、17年前に自らが犯した“罪”と向き合うためでもあった…。

生田斗真×瑛太、生きることの意味『友罪』
益田と鈴木。ともに日本映画史上最難関と言っても過言ではない難役には、様々な作品で比類なき才能を発揮する二人の俳優が挑みました。友だちの真の姿を探ると同時に己の“罪”と対峙する益田役に、生田斗真。そして、元少年犯という過去を持つ鈴木役に瑛太。罪を背負った人間の苦悩、そしてその苦しみから逃れられない現実を痛々しいまでに体現し、その演技からは緊迫感が滲み出ています。

さらに鈴木と親しくなる美代子役に夏帆、益田の元恋人で雑誌記者の清美役に山本美月、医療少年院で鈴木を担当した白石役に富田靖子、タクシードライバーの山内役に佐藤浩市と、共演者も実力派俳優たちのキャスティングが実現しました。

生田斗真×瑛太、生きることの意味『友罪』
主人公二人に関わる人々も、実は、他人には言えない“秘密”や“罪”を抱えている人物ばかり。彼らの生き様からも、様々な問いかけが観る者の頭の中に湧き上がってきます。

人の命を奪った者は、そしてその家族は幸せになってはいけないのでしょうか? “償い”とは、そして“赦し”とは、一体なんなのか?
答えが出せないこれらの“問いかけ”に、あなたも向き合ってみてはいかがですか。

生田斗真×瑛太、生きることの意味『友罪』
友罪
2018年5月25日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:瀬々敬久
原作:「友罪」薬丸岳(集英社文庫刊)
出演:生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市 ほか
©薬丸 岳/集英社 ©2018映画「友罪」製作委員会
公式サイト http://gaga.ne.jp/yuzai/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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