「米朝首脳会談中止」はボルトン大統領補佐官の戦略

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5/28 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①

南北首脳が再び会談~北朝鮮・金正恩氏の思惑とは
7:00~ガチンコ ニュース UP!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

米朝首脳会談~完全に読み違えた金正恩委員長

アメリカのトランプ大統領が、6月12日の米朝首脳会談中止を決めたことを受け、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、予告なしに週末、韓国の文在寅大統領と板門店で会談を行った。金正恩委員長は韓国を通じ、アメリカに何をどう伝えようとしたのだろうか。

飯田)日本時間金曜日(現地では木曜日)に、トランプ大統領は米朝首脳会談の中止を発表、それを受け週末に南北首脳会談が行われました。その前の段階で、トランプ大統領は「いろいろ交渉もあるから前向きに」ということを言っている。二転三転ですね。

須田)会談中止をトランプ大統領に意見したのは、ジョン・ボルトン大統領補佐官です。まだ報道ベースに乗っていませんが、「ここで何か融和策をとるようなら、私は即座に辞めます」という姿勢を見せた。ジョン・ボルトンさんは北朝鮮や核問題に関して専門家なので、トランプ大統領は意見を組み入れ、会談中止にしたのです。
つまり、ボルトン戦略です。これで中止に持って行こうとするのではなく、もう1度北朝鮮を土俵に引きずり出すという一環でやっている。これまでや今回の動きはすべて計算ずくと考えて良いです。

リビア方式で北朝鮮と交渉を進めるアメリカ

須田)もう1つは、対北朝鮮に関して、ボルトンさんが主導権を持っているのが見えてきた。すると、やはりリビア方式に近い形で、北朝鮮に対して交渉を進めているだろうな、と伺えます。

飯田)リビア方式。「まず核を廃棄する。その後、見返りを出す」という形ですね。

須田)そうです。リビアの場合、制裁を解除し、アメリカにリビアの代表部を置いたのは完全廃棄の6ヶ月後でした。
それでも、実はリビアではカダフィ体制崩壊後に、毒ガスの化学兵器が見つかっています。リビア方式にも、漏れはある。そうした過去の経験があるので、今回は相当厳しい対応になってくると思います。

飯田)「こうして席を蹴立てて見せて、その後もう1回」というのは、ビジネスというか、任侠の世界の駆け引きのような気がしますね。

須田)逆に言えば、今週のニューズウィークで、北朝鮮に対して「外交巧者」という表現を使っていますが、そういう見かたもできます。これまで国際社会では「北朝鮮は、国力や政治的影響力はそれほど大きくないが、外交が巧みな国」というイメージが定着していました。北朝鮮方式は瀬戸際外交が1番の特徴で、それを利用して相手の譲歩を引き出すことをずっとやってきた。ですが、それはアメリカには通用しないという点で言うと、金正恩体制になってから、外交巧者ぶりに若干陰りが見えてきたと言えます。

飯田)あれは、読み違えたところがあったわけですか?

須田)完全な読み間違いですね。あんなに強気に出てくるとは思わなかったのです。

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