小説より奇妙な脱出劇 まさかの裁判所に就職した脱獄囚

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「ハロー千葉」では、千葉のイベント情報に合わせて、耳より情報を紹介する。今回は、モラージュ柏特設会場で実施される「碧洋の迷宮 千葉柏ラウンド」の話題だ。
小説より奇妙な脱出劇 まさかの裁判所に就職した脱獄囚
近年、「脱出アトラクション」が流行っています。リアル脱出ゲームをはじめ、出された問題やギミックを駆使して、制限時間内に脱出を目指すアトラクション。漫画やゲームとタイアップしたり、その人気はとても高いものとなっています。

しかし、現実世界には刑務所からの「脱獄」を成功させ、しかもあろうことか裁判所に就職してしまった人物がいます。
今回は、その「渡邊 魁(かい)」という人物をご紹介します。

渡邊 魁は明治13年(1880年)ごろ、勤めていた三井物産長崎支店の検印を盗み、銀行から金を盗む横領の罪を犯しました。
会社の切符の偽造、出納簿の改ざんも行っており、判決は「終身懲役」。はじめは五大監獄とも呼ばれていた「長崎監獄」に服役しましたが、何度も獄則に違反し、その後「三池集治監」に移されます。

レンガ塀や石垣に囲まれている三池集治監でしたが、ここで魁は看守の目を盗み脱走を果たします。集治監に移監されたのが明治14年(1881年)7月7日、脱走が同月28日という、わずか21日後の脱走劇となりました。

魁は脱走後、大分県で潜伏していたそうですが、「辻村庫太(くらた)」という偽名を使い始めます。そして何と、大分始審裁判所で雇用され、竹田治安裁判所に採用されることになるのです。

大胆すぎる経緯ですが、これには彼の父親が深く関わっているという話もあります。彼の父は元長崎の裁判所職員で、正確なことまでは分かっていませんが、おそらく脱獄した魁は父と連絡をとり、相談を持ちかけたのではないかと言われています。偽名を使い、別人になりすます案は父が考えたのではないか、ということです。

魁は雇員から裁判所書記、判事試補を経て、最終的には判事にまで昇任しています。しかし、脱獄囚・渡邊魁と辻村判事の人相が似ているのでは? という噂が立ち、警察署員や検事が内偵を行っていたようです。
魁は父だけでなく、自分の伴侶や弟まで呼び寄せて暮らしていたらしく、それが余計に周囲の不審感を生んでいたのかもしれません。

結局、魁と辻村が同一人物であると確信を得た警察側は、魁の出張中に彼の父や弟を逮捕しました。その後、魁も出張中の旅館で捕縛令状が執行され、逮捕に至りました。

しかし、再び軽懲役6年の判決を受けた魁でしたが、結局彼は無罪になるのです
内容としては、「戸籍簿の記入は官吏が職務上行ったもので、魁は虚偽の陳述はしているものの、官文書の偽造をしたわけではない」というものでした。

この事件を受けてか、一部刑法が改正され、現在にまでつながる刑法第157条の「公正証書原本不実記載罪」ができたと言われています。
「事実は小説よりも奇なり」ということわざがありますが、こういった事件を見ると、本当にノンフィクションは時にフィクションを上回ると思わせられますね。

小説より奇妙な脱出劇 まさかの裁判所に就職した脱獄囚
謎を解いて先に進む「脱出アトラクション」が千葉県に初登場しています。
10月14日まで、「碧洋の迷宮 千葉柏ラウンド」が、モラージュ柏という特設会場にて開催中です。

制限時間内に謎を解き、次の空間へと進む人気の脱出アトラクションは、時間内に7つの空間の謎を解きながら、先へ先へと進んでゆき海賊船を脱出するというストーリーなんですよ!

ドキドキとワクワクを体験できる期間限定のイベントです。お友達やご家族で参加するも良し、1人で勇気をもってチャレンジするも良し!
入場料は4歳以上 お1人様500円です。
会場までは、柏駅と我孫子駅から無料シャトルバスで約15分です。

詳しくは電話 050-3698-1582、迷路総合ダイヤルまでどうぞ!
合わせてホームページもぜひご覧ください。

モラージュ柏
碧洋の迷宮~「迷宮シリーズ」脱出アトラクション~

〒277-0837 千葉県柏市大山台2丁目3番地
開催日:08/11(Sat)~10/14(Sun)開催
電話:050-3698-1582
会場:part.Ⅰ 2F ライトオン隣り 特設会場
備考:8/13~8/17は11時から営業いたします。
詳しくはこちら

【ハロー千葉】

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