職人醤油代表・高橋万太郎~100mlの醤油を売ろうと思ったきっかけ

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、職人醤油代表の高橋万太郎が出演。醤油を売ることになった経緯について説明した。

職人醤油代表・高橋万太郎~100mlの醤油を売ろうと思ったきっかけ
黒木)今週のゲストは職人醤油代表の高橋万太郎さんです。
醤油に目覚めて10年ですか。大学はお醤油とは関係のない学部ですよね。

高橋)経済学部を卒業して、そのまま精密機器のメーカーで営業マンをしていました。

黒木)なぜ醤油に転向したのですか?

高橋)大学時代から、自分で商売をしたいという思いはありました。3年間営業をさせてもらって、独立して何かやりたいと思っても、何の商売をしたらいいかわかりませんでした。営業マンだったので車で移動していたのですが、ある日、AMラジオで子育てをしているお母さんが「子供にどんな本を読んだらいいですか」という質問をしていたのです。そしたら、その答えが「長く読み続けられている本を読ませればいいですよ」というものでした。良いものは時間が証明しているという話だったのです。それを聞いたときに、長く使われているものは自分が好きになる可能性も高いだろうなと思って、帰って会社を辞めました。

黒木)何をやるか決める前に辞めたのですか。

高橋)その後、貧乏旅行を3ヵ月くらいしていました。

黒木)日本全国?

高橋)はい。いろいろな地域で話を聞くと、皆さん良いものを作っている自信はあるのだと言うのです。だけどなかなか売れない。どうしてですかと聞くと、大手や外国で作っているものには価格で勝てないと言うのです。そこで、この辺りに自分の立ち位置があるかもしれないなと考えました。日本で生活されている方の視点から見たときに、大量生産されているものと、そうではないものを意識せずに買っている、選んで買っていないものは何か…醤油はそうかもしれないなと思いました。

黒木)かなり早く決めたのですね。

高橋)最初は、自分で売る販路も何も無かったので、賞味期限があるものはリスクが高い。野菜とか果物はどこに売ったらいいかわからない。醸造関係、醤油とか味噌とか日本酒とかお茶とか、そういったものが最後に残りました。

黒木)そのなかから、醤油を選ばれたのはなぜでしょうか? 

高橋)実は私の母親が初めてインターネットで買ったのが醤油だったのです。それをふと思い出して、あの人を動かすくらいだから魅力があるのかもしれないなと。近くの醤油屋さんを調べて電話して、いまから行っていいですかと言ったら承諾してくださって、お邪魔して。そういう感じで30軒くらい回ったのがスタートでした。

黒木)30軒も行かれると違いがわかりますか?

高橋)全部違います。すごくいいなと思う作り手さんがいる反面、好きになれそうにもないなという人もいます。東京の百貨店の調味料売り場に行くと、醤油が一面ずらっと並んでいるのですが、どの醤油が良いかわかりませんでした。勉強した自分がわからないということは、世の中のほとんどの人はわからずに買っているのではないかなと思いまして。自分ならどうしたいかなと考えたときに、やはり醤油の味を見てみたい。けれども1リットルの醤油を2本3本買うのって、かなりハードルが高いですよね。じゃあ小さいサイズにしたらいいんじゃないかと思ったのが最初のきっかけです。小さな瓶を用意して、自分が好きになった醤油屋さんに「これに詰めて」とお願いをしたのが最初の取り組みですね。

黒木)自分が好きになった、それが90種類あるということですか?

高橋)そうですね。最初は8本でした。そこから少しずつ広げて行きました。

黒木)醤油は日本人には昔から馴染みのあるものだと思いますし、海外に持って行くときも便利ですしね。

高橋)是非100ml、持って行ってください。

職人醤油代表・高橋万太郎~100mlの醤油を売ろうと思ったきっかけ
高橋万太郎/「職人醤油」代表

■1980年、群馬県前橋市出身。
■立命館大学卒業後、精密光学機器の営業に従事し2006年退職。
■2007年に株式会社伝統デザイン工房を設立。伝統産業や地域産業に身を投じ、一升瓶での販売が一般的だった蔵元仕込みの醤油を100mlの小瓶で販売する「職人醤油」を運営。これまでに全国400以上の醤油蔵を訪問した。
※食料品店で様々な醤油が売られているが、どれが自分好みの醤油かわからない…。しかも一升瓶で買うのはちょっと…。その声に応えるように100mlボトルの小瓶での販売を開始。味比べしながらいただくのも面白い!

ENEOSプレゼンツ あさナビ
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