妻が突然の家出!? あなたならどうする?
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第607回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、4月27日公開の『パパは奮闘中!』を掘り起こします。
仕事と育児に大奮闘! 父と子どもの愛と絆を描いた感動作。
もうすぐゴールデンウィーク。今年は10連休ということで、日頃はバリバリ働くお父さんも、このときばかりは家族サービスを…と計画を立てている方も多いのでしょうか。
家族を愛するパパの思いは万国共通?! 仕事に育児にがんばる父と子どもたちの愛と絆を描いた感動作が、フランスからやって来ます。
ネット通販サイトの倉庫でリーダーとして働くオリヴィエ。幼い息子エリオットと娘ローズの子育てと家事は、すべて妻のローラに任せっきりで、残業続きの多忙な日々を送っていた。ある日、子どもたちを迎えに来るよう学校から呼び出しを受けたオリヴィエは、帰りに立ち寄ったローラの職場で、ローラが無断欠勤していることを知る。帰宅してみると、ローラの服や身の回りの品がない。オリヴィエは友人の警察官ポールに捜索を依頼するが、“よくある家出”と断られてしまう始末。こうしてオリヴィエは、仕事をしながら2人の子どもたちの世話にも追われることになるが…。
主演は、フランス映画の“顔”となり、いまや世界中からオファーが絶えない俳優となったロマン・デュリス。仕事一筋で家庭を顧みなかった男が“本当の父親”に成長するまでを魅力的に演じています。
監督は新たな才能の出現として、いまヨーロッパで熱い注目を浴びている、ベルギー生まれのギヨーム・セネズ。本作が監督2作目となりますが、2018年のカンヌ国際映画祭批評家週間に出品されて称賛を受け、トリノ国際映画祭でも観客賞を受賞するなど、高い人気を集めている逸材です。
本作の撮影では、ある試みにチャレンジしています。それは、台本がない状態で即興演技をさせたということ。セネズ監督の手元にはセリフが書かれた台本はあったのですが、俳優たちにはそれを渡さず、アドリブで演技をさせるというメソッドを用いて、シークエンスごとに撮影しました。
「リアルなやり取りのなかから、さらにいいシナリオを目指したかった」とセネズ監督が語るように、ロマン・デュリスもこの撮影法には刺激を受けたとのこと。撮影初日こそ心配だったものの「特に子どもたちとのシーンは、共感しながら演じることができた」とか。
何故、母親は家出してしまったのか…。本作は妻の大切さに改めて気づき、成長して行くパパと子どもたちの物語。世のお父さんたち、決して他人事ではありませんよ!
パパは奮闘中!
2019年4月27日から新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・脚本:ギヨーム・セネズ
共同脚本:ラファエル・デプレシャン
出演:ロマン・デュリス、ルーシー・ドゥベイ、ロール・カラミー、レティシア・ドッシュ、バジル・グランバーガー、レナ・ジェラルド・ボス
©2018 Iota Production / LFP - Les Films Pelleas / RTBF / Auvergne-Rhone-Alpes Cinema
公式サイト http://www.cetera.co.jp/funto/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/