番組スタッフが取材した「聴いて思わずグッとくるGOODな話」を毎週お届けしている【10時のグッとストーリー】
人間にとって、家族同様の存在でもある「ペット」。私も犬を飼っていますが、飼い主とワンちゃんが同じものを食べて、美味しさを分かち合えたら最高ですよね。きょうは、犬が大好きで「人と犬が一緒に食べられる無添加おやつとごはんのお店」をオープンした女性のグッとストーリーをご紹介します。
東京・町田市。小田急線・玉川学園駅のすぐそばに、アパートの一室を改装したお菓子の工房があります。この工房で作られているお菓子は、基本的にワンちゃん向けのものですが、人間も食べられるようにちゃんと保健所の許可も得ています。スタッフ2人と一緒にこの工房でお菓子を作っているのが、One’s Daily(ワンズデイリー)代表の森崎繭香さん。
「お菓子・料理研究家」としても活躍中の森崎さんですが、いまはワンちゃんのお菓子作りでも大忙し。スタッフが工房を訪ねると、「ワンワン!」と元気な鳴き声でワンちゃんがお出迎えしてくれました。
森崎さんの愛犬・リクくん。後ろ髪が長い、カニンヘンダックスフンドのオスで、5歳になります。この日は工房に“出勤”。調理室の外で待機し、試作品を味見するのがリクくんの仕事です。
「美味しいと、すごくキラキラした目をして私のところにやって来るんです。背中を床にこすりつけて大喜びすることもありますよ」…リクくんが美味しそうにお菓子を食べる動画は、インスタグラムにアップされます。「この子はOne’s Dailyの宣伝部長なんです(笑)」
子どもの頃から、常に犬か猫がいる家で育った森崎さん。実家を離れたあと、どうしてもワンちゃんが飼いたくなり、ペットショップへ通うようになりました。そこで出逢ったのがリクくんだったのです。
「この子、すごくヤンチャで、ひとりだけトイレをひっくり返したりしてたんです(笑)」
普通の飼い主なら敬遠するところですが、森崎さんはそのヤンチャぶりに一目惚れ。食いしん坊なところもすっかり気に入って、リクくんとの楽しい日々が始まりました。
飼い始めて1年半ほど経ったある日、リクくんの様子がおかしいのに気がついた森崎さん。よく見るとお腹に湿疹ができていました。すぐ獣医さんに連れて行くと、「アレルギーですね」という診断。それまでは普通にドッグフードを食べさせていた森崎さんですが、あらためて成分表示を見ると、カタカナの添加物がいろいろ入っていることに気付き、リクくんのごはんを手作りしようと決心します。
「でも犬のごはんって、どうやって作ったらいいんだろう? って、ふと考えちゃいました。私、料理研究家なのに、ワンちゃんの食事のことは何も知らなかったんだなって……」
犬用の食事を作っている人に聞いたり、獣医さんが書いた本を読んで、研究を重ねて行った森崎さん。水分が足りず、体のなかの老廃物をうまく外に出せないのも、湿疹ができた原因だと判明。しばらく手作りのごはんを与えていると、リクくんのお腹から湿疹がきれいに消えて行きました。
「人間の食事は、犬が食べるとしょっぱく感じるんです。調味料で味をつける必要はなくて、だからワンちゃんのごはんは薄味でヘルシーなんです」
そのうち、自分も一緒にリクくんのごはんを食べてみるようになった森崎さん。「そのとき気付いたんです。それまで犬の食べ物と人間の食べ物は別と当たり前のように考えていたけれど、安全で体に優しい食べ物なら、一緒に分け合って食べられるんだって」……それが、One’s Dailyを始めるきっかけになりました。
小麦アレルギーの犬もいるので、犬用のお菓子はすべてグルテンフリー。米粉や片栗粉などを使用し、砂糖もほとんど使っていません。クッキーを作るとき、砂糖を抜くと焼き上がりが硬くなってしまいますが、サツマイモを入れて甘味とシットリ感を出したり、ニンジンやリンゴを入れたり……森崎さんが試行錯誤して作ったものを、リクくんがすべて試食。OKが出たものがOne’s Dailyの新製品として販売されます。
先日、森崎さんがワンちゃん関連のイベントに出店したときのこと。試食コーナーで、ちびっ子が飼い犬と一緒に同じお菓子をパクパク、美味しそうに食べている姿がありました。
「それを見ていて、とっても幸せな気持ちになりました。子どもも犬も正直ですから。自分のなかでは美味しいおやつを作っているのは同じ、人間用、犬用という区分けはありません。人にも犬にも、みんなに喜んでもらえるお菓子をこれからも作って行きたいですね」
one's daily 公式Webサイト
https://onesdaily.stores.jp/
八木亜希子 LOVE&MELODY
FM93AM1242ニッポン放送 土曜 8:00-10:50
番組情報
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