川崎殺傷事件~ゴールデンウィーク明けに多い無差別殺人事件
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月30日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。5月28日に起きた川崎殺傷事件について解説した。
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【川崎で複数人刺される】事件現場には多くの花が供えられ、その前には血痕が残っていた=2019年5月28日午後、川崎市多摩区 写真提供:産経新聞社
川崎の殺傷事件を受け安倍総理が子どもの安全確保を指示
5月28日朝、川崎市多摩区登戸新町の路上で起きた児童殺傷事件を受けて政府は29日、関係閣僚会議を開いた。会議に出席した安倍総理大臣は通学路の子どもの安全確保に向けて登下校時に子どもが集まる場所を再度点検し、警察官による重点的なパトロールを行うよう指示した。
安倍総理)幼い子どもたちが被害に遭ったことに強い憤りを覚えます。子どもたちの安全を何としても守らなければなりません。各大臣がリーダーシップを発揮して、政府一丸となって早急に取り組みを進めるようお願いします。
飯田)さらに総理は、不審者情報などを共有する仕組みの強化に取り組むとしています。児童や大人も含めて2人の方が亡くなり、17人の方が怪我をしました。非常に凄惨な事件ですよね。
鈴木)怒りをどこに持って行けばいいのか。容疑者はもう死んでいて、被害者やご遺族の方の思いは考えるだけで辛いです。とにかく安倍総理が指示をして、しっかりと安全を確保する。起きることをどう防ぐかということに主眼が置かれていますね。しかし皆さんが住んでいらっしゃる場所の小学校でも、現在も行っているのですよ。保護者の方が出たり、いろいろな体制をとって。
飯田)校門も閉めてね。
鈴木)先生も近くまで出て来るなどして、いまも行っているのです。これ以上はなかなか難しいかもしれない。警察官も数が限られていて他の仕事もありますから、全員がかかるわけにもいかない。ある程度の限界はあるでしょうね。ですがやらなければいけない。抑止力という意味では「やるのだぞ」ということを示すのは大切です。
もう1つやらなければいけないのは、容疑者側の問題です。今回も引きこもりがあったのではないかということが、だんだんと分かって来ていますけれども。
飯田)親族が相談していたという話もあります。
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小学生を含む複数の人が刺された現場を調べる捜査員ら=2019年5月28日午前、川崎市多摩区 写真提供:産経新聞社
GW明けは精神的な問題が起きやすい~池田小、秋葉原の事件も6月8日
鈴木)先月、10連休の取材をしていたのです。今年(2019年)は10連休だったので。
飯田)ゴールデンウィークの。
鈴木)はい。この影響がどうなるのかということを取材していたのですが、ある大学病院の精神科の教授と話をしたら、そもそもゴールデンウィーク明けは、10連休でなくてもいろいろな事件が起きると言うのですね。俗に言う五月病です。4月から新しい世の中の動きになって、そこに新入社員などが入り、慣れなくてみんな辛い思いをします。それがゴールデンウィークでリセットされてしまうのだそうです。何とか対応しよう、慣れよう、自分を変えたいと思っているけれども、ゴールデンウィークの休みで、それ以前にまた戻ってしまう。そして休み明けに出て来ると、現実がショックになって精神的に参ってしまう人が多い。言われてみれば、池田小学校の事件や過去の通り魔事件などは…。
飯田)秋葉原の連続殺傷も。
鈴木)確かに5月、6月に集中しています。
飯田)そうですね。双方の事件とも6月8日でした。
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【川崎で複数人刺される】騒然とする事件現場付近=2019年5月28日、川崎市多摩区 写真提供:産経新聞社
再発防止にこれからするべきこと
鈴木)ゴールデンウィーク明けに精神的な問題が起きやすい。その先生は、今年は10連休なので連休明けはすごく忙しくなるだろうと言っていました。そういうこともあるので、この時期は心のケアなどについても行わなければいけないのだと思います。
この容疑者が死んで、被疑者死亡のまま送検で終わりではないのです。再発防止という意味で、徹底的にこの容疑者に何があったのかを調べなければいけません。この事件について、これからやることは山ほどあります。
飯田)警察は29日、家宅捜索をしに被疑者の家に入りました。
鈴木)徹底して周辺を、メディアもそうですが調べなければだめですよね。これからですよ。
飯田)分かった情報は、ある程度の開示や共有をして、どうして行くかを考えるべきですね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00