なぜ外国人は白馬にスキーに来るのか
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、白馬観光開発株式会社取締役の和田寛が出演。白馬に外国人スキー客が多く訪れる理由について語った。
黒木)今週のゲストは白馬観光開発株式会社取締役の和田寛さんです。外国のお客様がスキーをするために日本にいらっしゃるのは、日本の雪がいいのですか、それとも他に理由があるのですか?
和田)実は、日本は数少ない、雪がたくさん降る国なのですよ。
黒木)意外。
和田)外国にも寒いところはたくさんあるのですが、寒いところに必ずしも雪が降るわけではなくて、寒いところに少し暖かめの湿り気のある空気が送り込まれることで、初めて雪が降るのですね。そういう意味では、日本海からシベリアからの偏西風が吹いて、それが長野では北アルプスの山々にぶつかって、雪を降らすのです。そういう地域は世界で見ても北米大陸の西海岸の北の方とか、ヨーロッパの一部に限定されているのです。
黒木)そうだったのですね。
和田)意外ですよね。私もこの商売を始めるまで、どこでも雪は降っているのかなと思っていたのですが、実際の降雪量を見ると、日本はずば抜けて多いエリアの1つなのです。
黒木)スキーヤーにとっては、日本はとても恵まれた環境ということですよね。
和田)しかも東京のような大都会から白馬まで、3時間で行ける。それでこれだけの雪の量がある山にアクセスできる都市というのは、なかなかないです。例えばニューヨークは寒いところにありますけれども、スキー場に行こうとしたら飛行機に乗って行かなくてはならない。それがたぶん、バブル期に皆さんがスキーにこぞって行っていただける1つのきっかけだったのです。
黒木)それで白馬に魅せられて、開発しようと思われたのですよね。
和田)そうですね。白馬にあるスキー場は、標高差やコースの本数で見て行くと、日本で断トツのスキー場です。
黒木)いくつくらいあるのですか?
和田)白馬と、隣に大町市と小谷村と、3つの自治体があるのですが、合わせて10個のスキー場があります。その10個のスキー場を「白馬バレー」という形でつなげた、1つのスキー場としてプロモーションして行こう、もしくはオペレーションして行こうと、いろいろなスキー場と連携するために動き始めています。
黒木)それを、まとめてらっしゃるのですか?
和田)僕がまとめていると言うよりは、地元の人と密着して、みんなで動いているという形です。
黒木)やはり地元の方たちの協力がないと開発できないですか?
和田)そうですね。開発というものは、いまあるものをどうやってうまく使うかというところが大きい。例えば10個スキー場があって、自動改札システムのあるスキー場もあります。でもそのシステムが全部バラバラだった。そうすると、外国人の方が来ると1週間ずっと白馬に滞在されて、いろいろなスキー場、10個のスキー場が回れるのが魅力の1つでもあるのだけれど、それができなければインフラ的に不便ですよね。それであれば、インフラを全部一緒にしてしまえばいい。SuicaとPASMO両方が使えるみたいなものですけれど、そういうことをスキー場としてもしっかりやったほうがいいということで、みんなでお金を出し合って、1つのゲート、自動改札システムを入れました。
黒木)あとはどんなことをなさったのですか?
和田)それぞれのスキー場間を結ぶシャトルバスを動かして、お客様が1週間なら1週間、10日だったら10日滞在しても白馬の全体の魅力を味わっていただける体制というものを、毎年少しずつ積み上げて、利便性を増やしているところです。
黒木)お客様は外国の方が多いのですか?
和田)いまは、お客さんの大体30%前後が外国人のお客様となっています。
黒木)これからどんどん増えるのではないですか?
和田)そうですね。白馬では半分くらいのお客さんがオーストラリアから、残りの3割くらいがアジア圏、2割が欧米から来ているという感じです。いま3割のアジア圏の方が今後、もっとスキーをやるようになるので、増えるのではないかと思っています。
黒木)でも、夏の間は雪はありませんよね。
和田)白馬の雄大な自然は、冬だけのものではありません。綺麗な山が見えるエリアなので、これを我々としてはオールシーズン、四季で楽しめるマウンテンリゾートにして行こうと取り組んでいます。
和田寛 / 白馬観光開発株式会社・代表取締役■1976年生まれ。
■東京大学法学部を卒業後、農林水産省に入省。
■アメリカの大学でMBAを取得し、世界的コンサルティングファーム、「ベイン・アンド・カンパニー」に転職。
■2014年、「白馬観光開発」の親会社である「日本スキー場開発」に入社。
■2017年より白馬観光開発株式会社の代表に就任。
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