「働き方改革」~大企業と中小企業で適用時期が変わる項目とは?
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ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」(8月18日放送)では、「本格スタートした『働き方改革』! 生活はどう変わる!?」というトピックスを紹介した。
2019年4月に本格スタートした「働き方改革」。NHKの朝ドラも、2020年春から土曜日の放送をやめて、月~金曜日の週5日の放送にすると発表された。これまでに働き方の何が変わり、今後も何がどのように変わるのだろうか?
厚生労働省の雇用環境・均等局 有期・短時間労働課の石割千晶さんに、立川晴の輔が話を伺った。
晴の輔:今回の「働き方改革」。耳にはするのですけれど、目指すところはどのようなものなのでしょうか?
石割:働く方々が個々の事情に応じて、多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにするのが「働き方改革」です。
晴の輔:例えば、子育て中のお母さんがいたり、ご年配の方も働いたりしていますよね。個々の事情に合わせることができるということですか?
石割:自分が働きたいように、働き方を自分で選択できるということです。
晴の輔:具体的には、どのような感じなのですか?
石割:大きく3つあるのですけれど、1つ目が『年次有給休暇の時季指定』です。年次有給休暇が10日以上付与されている労働者に対して、使用者は年5日の休暇を、労働者の希望を踏まえ、時季を指定して取得させることが義務化されました。
晴の輔:いままでは義務ではなかったのですか?
石割:そうなのです。これについては大企業・中小企業関わらず、今年(2019年)4月から施行されています。
晴の輔:なるほど。
石割:2つ目に、『時間外労働の上限規制』。1ヵ月の時間外労働は、原則として月45時間、年360時間が上限となりました。大企業は今年4月から施行されていますが、中小企業では来年(2020年)4月に適用されます。
晴の輔:大企業と中小企業では、すぐにできるところとできないところがあるでしょうからね。
石割:最後に『同一労働同一賃金』です。同じ企業のなかでも正社員とパートや契約社員など、非正規社員との間の不合理な待遇差を解消するルールです。大企業は来年4月、中小企業については再来年(2021年)4月から適用されます。ただ、労働者派遣法は企業規模に関わらず、2020年4月1日から施行されますのでご注意ください。
晴の輔:ちなみに石割さんの働き方は、改革が進んでいますか?
石割:職員同士が意見を出す場であったり、朝のメールを活用してお互いに業務内容を共有したり、休暇が取りやすい環境を整えたりしていますね。
晴の輔:厚生労働省では実践しているのですね。アフター5はどちらにいらっしゃるのですか?
石割:お酒が好きなので、飲みに行くこともあります。
晴の輔:そういう時間があると、やはり違いますか?
石割:リフレッシュができますよね。明日また頑張ろうと思えます。
晴の輔:企業は当たり前ですけれど、売り上げ重視ではないですか。そのためには働かなければいけませんが、しっかりと休みも取らなければだめですよね。中小企業などは従業員の数がそう多くないでしょうから、なかなか難しいでしょうね。
石割:中小企業の方々への支援として、私たちは47都道府県に『働き方改革推進支援センター』を開設しています。働き方改革に関する無料での相談支援や、各種助成金の活用について、しっかりとサポートさせていただきます。
晴の輔:わからないことがあれば、そこに行って聞くということですね。
石割:それから、すでに取り組んでいらっしゃる企業さんのお話を聴いてみるのもいいですね。先進事例、成功事例と言いますか。
晴の輔:それはどこで聴けるのですか?
石割:厚生労働省が主催する特別フォーラムなどで聴けることもあります。また、「働き方改革」について詳細を知りたい場合は、「働き方改革特設サイト」でも調べることができます。
晴の輔:「働き方改革特設サイト」ですね。ありがとうございました。
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