関電金品受領問題~原資はどこから出たのか
公開: 更新:
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月30日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。関西電力幹部による金品受領問題について解説した。
関西電力会長~13年前から金品受け取り
関西電力の役員と社員20人が2011年~2018年にかけて、福井県高浜町の元助役から3億2千万円相当の金品を受け取っていた問題で、八木誠会長が、それ以前の2006年~2010年にかけても現金を含めた金品を受け取っていたことがわかった。経営トップの進退を含めた、政府や株主らの追及は避けられないとみられる。関電の筆頭株主の1つである大阪市の松井一郎市長が、株主代表訴訟を行う可能性もあげている。
飯田)金品を受け取っていたことが判明しながら昇格していた方々もいるということで、経営体質も厳しく問われそうだと言われています。
原資はどこから出たのか~関電から出て行った可能性も
須田)場合によっては、事件化してもおかしくない話だと思います。もともと税務調査ということで、貰ったものに関して税務申告していなかったという脱税の疑惑もあるのですが、その一方で原資がそもそもどこだったのかということです。場合によっては、関電から出て行ったお金が還流している可能性もあります。そうすると、特別背任という疑いも出て来る。そのようなことを含めて、関電サイドがきちんと社内調査したのかということが、1つ大きなポイントになるのかなと思います。
受け取った金を個人で保管していたということは「貰った」ということ
須田)民間企業とはいえ、公益事業をやっている企業であるということ、株式を公開しているということも含めて、そのあたりをもっと厳しく対応しなければならなかった。加えて金品を受け取り、これは問題だということで返そうと思ったけれど、受け取ってくれないから個人で保管していたと言いますが、個人で保管したということは「貰った」ということではないですか。会社で、別建てで、例えば信託するような形で保管していたと言うのならば、ある程度の言い訳は効くかもしれません。しかし個人で保管ということは、後付けの理屈にしかならないのではないでしょうか。
飯田)元助役と言いますが、助役をやっていたのは77年~87年です。その後は非公式なポジションで関連会社顧問などをやりながら、「この人に話を通さないと何も進まない」というような、昔のドンみたいな感じだったのですね、この森山という人は。もう亡くなっていますが。
須田)私も、かつて1度だけお会いしたことがあります。この地域は他に産業がまったくなく、原発産業によって経済的に町が成り立っている。箱物も立派です。
飯田)原発立地市町村は、本当に立派なものが建っていますよね。
持ちつ持たれつの関係だった関電と福井県高浜町
須田)これだけ立派なものが必要なのかというところもある。関西電力あってこその町なのです。とは言え関電の方も、福島第一原発の問題が起こる前まで、つまり東日本大震災が起こるまでは、発電力の4割は原発で賄っていた。特に日本海側の福井からこのエリア一帯にかけて、原発が集中しているわけです。そうすると持ちつ持たれつの関係にある。交通の便が悪く、稼働する原発のメンテナンス等々で町にお金が落ちて、それで町の経済が回って行くという構造になっていますから、双方にとって欠くことのできない存在です。そこを上手く調整する、政治的な動きが影を落とす可能性もあり、ドンが裏から全部調整する。この元助役なくして、原発のスムーズな稼働は実現できなかったと、私は思います。
飯田)普通に考えたら、原発を建てた関電側が地元に対してお金をばらまきましたというのであれば、ありうるなという事件なのですが、地元から関電に対してというと逆です。まさに持ちつ持たれつの関係だったということがわかりますね。
須田)稼働停止になって以降も、早期の稼働を求めるということで、町としては議決し、要望するという動きになっている。「どんどん稼働してくれ」というベースがあるのです。
飯田)森山元助役が亡くなったのは、今年(2019年)3月です。亡くなったからいろいろと、ぽろぽろ出て来たということですか?
須田)そうですね。死人に口なし的なところもあるのかもしれない。森山さんに全部責任を押し付けて、口を拭うという方向になりつつありますよね。そうならないように情報開示して、徹底的に膿を出してほしいと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。