笑福亭鶴瓶 × 綾野剛 × 小松菜奈、それでも朝はやって来る…
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第714回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、11月1日から公開となる『閉鎖病棟 ―それぞれの朝―』を掘り起こします。
帚木蓬生による珠玉の人間ドラマが、ついに映画化!
精神科医で作家の帚木蓬生が山本周五郎賞を受賞した、累計90万部を超える大ベストセラー同名小説を、『エヴェレスト 神々の山嶺』の平山秀幸監督が映画化。精神科病棟を舞台に、人々の葛藤を描いた群像劇が誕生しました。
長野県のとある精神科病院。そこには、それぞれの過去を背負った患者たちがいる。
死刑執行が失敗し、半身不随になりながら生きる梶木秀丸。幻聴に悩まされるチュウさん。父親からのDVが原因で入院する由紀。家族や世間から遠ざけられながらも、彼らは心を通いあわせ、明るく生きようとしていた。
そんな日常に影を落とす衝撃的な事件が、院内で起こる。加害者は秀丸。彼を犯行に駆り立てた理由とは、一体、何だったのか…。
梶木秀丸役を務めたのは、本作が10年ぶりの主演となる笑福亭鶴瓶。ニッポン放送「笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ」をはじめ8本のレギュラー番組を抱えるなか、短期間で7kgの減量を経てクランクインし、精神科病院でひっそり暮らす元死刑囚という難役を力演。
また秀丸と心を通わせる患者役の綾野剛、小松菜奈が、過去を背負った複雑な役どころに体当たりで挑んでいます。
共演には小林聡美、渋川清彦、坂東龍汰、高橋和也、木野花といった個性派キャストが顔を揃え、本作をさらに味わい深いものとしています。
生きづらさを抱え、不安や絶望のなかにいながらも、常に相手を思いやる優しさを持ち合わせている。閉鎖病棟のなかで暮らす彼らの姿を見ていると、人はみな、紙一重の狂気と正気の狭間を生きているのではないかと考えさせられます。
居場所をなくした人々が出会い、癒され、そして自らの人生へと旅立って行く。人間への愛しさが沸き起こり、一筋の希望が胸を打つ感動作です。
『閉鎖病棟—それぞれの朝—』
2019年11月1日(金)から全国ロードショー
監督・脚本:平山秀幸
原作:帚木蓬生『閉鎖病棟』(新潮文庫刊)
音楽:安川午朗
主題歌:K「光るソラ蒼く」(ビクターエンタテインメント)
企画協力:新潮社
出演:笑福亭鶴瓶、綾野 剛、小松菜奈、坂東龍汰、平岩 紙、綾田俊樹、森下能幸、水澤紳吾、駒木根隆介、大窪人衛、北村早樹子、大方斐紗子、村木 仁、片岡礼子、山中崇、根岸季衣、ベンガル、高橋和也、木野 花、渋川清彦、小林聡美
(C)2019「閉鎖病棟」製作委員会
公式サイト https://www.heisabyoto.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/