伊藤忠社員が実刑判決~中国では経済活動もスパイ行為になる
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月27日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。伊藤忠商事の社員が中国で拘束され、実刑判決を受けたニュースについて解説した。
中国で拘束の伊藤忠商事の社員、中国の裁判所が懲役3年の実刑判決
2018年2月にスパイ行為の疑いで拘束された伊藤忠商事の男性社員について、中国の裁判所が10月に懲役3年の実刑判決を言い渡していたことがわかった。拘束から判決まで男性の裁判は非公開で行われ、どの行為が中国の法律に抵触したのかなど一切明かされていない。
飯田)40代の男性社員だそうですが、国家安全局に国の安全を害した疑いで、中国の広州で拘束されました。
中国では外国人はすべてスパイという立場に立たされる
高橋)中国に行くのが怖くなりますね。日本や普通の西側諸国では法律があって、どこの国も違うのですが、罪刑法定主義というものがあります。特に刑法犯は明確にこれに反する、反さないということがわかるのです。しかし中国の法律を見ても、それがわかりません。どこが境かわからないのです。穿った見方をすると、中国に入った外国人はすべてスパイという前提に立たされているのです。日本だと経済活動はスパイ行為ではありませんが、経済活動のような情報収集をしても、スパイ行為だと思われるかもしれないのが中国です。普通の商社の人だから経済活動だと思うのですが、それが国家の安全を害したと言われたら、おかしいですが、それもスパイ行為になってしまいます。日本のような、何をやってもスパイ行為にならない国からすると、大きな落差があると思います。
飯田)先日帰国された北海道大学の岩谷教授のケースも、中国の歴史を学術的に調べるというものでした。これが中国共産党にとって不都合な歴史の真実だったりすると、スパイ行為という拘束を受けます。
高橋)学者の間でも、中国から招待を受けても行くのをやめる人が多くなりました。学会に行って、こんなことになったらたまらないですよね。
出張で行ってもホテルから1歩も外へ出ない
飯田)何が起こるかわからない。それこそ、日本企業の副社長クラスの人たちが仕事の都合で行く場合、中国本土の深圳は香港から車や電車で行けるではないですか。でも深圳に泊まることはしないし、万が一泊まることになっても、ホテルから1歩も出ない。外を歩いたらどうなるかわからないからという話も聞きます。
高橋)香港も中国の一部なので、いずれそうなるかもしれませんよ。実質的には一国二制度がないのですから、もはや同じ法律です。スパイという概念がなく、スパイ防止法もない日本から、全員スパイと見られるかもしれない中国に行くのはリスクがありますね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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