笹子トンネル事故から7年~行政が危機感を持って行うべきこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月12日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。犠牲者の追悼が行われた笹子トンネル事故のニュースについて解説した。

笹子トンネル事故から7年~行政が危機感を持って行うべきこと

中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故から7年 笹子トンネル(奥)の東京側にある慰霊碑に献花する遺族=2019年12月2日午前、山梨県大月市 写真提供:産経新聞社

笹子トンネル事故から7年

笹子トンネル事故は2012年12月2日、山梨県大月市の中央自動車道、笹子トンネルで天井板が崩落し、4台の車が巻き込まれて9人が死亡、3人が怪我をした事故だ。これまで現場となったトンネルでは毎年、事故が起きた12月2日に遺族が現場脇の道路に献花していたが、今年はトンネル付近の工事で全面的に通行止めとなったため、11日にトンネル内で犠牲者を追悼した。

飯田)衝撃的な事故で、まさか天井が崩れて来るとは思わず、驚きましたよね。

鈴木)考えもしないことですし、犠牲者には何の罪もありません。これは偶然の事故ではなく、政治や行政の人災という考えを持たなければいけないと思います。公共事業でのインフラ、特に道路は1960年~1970年ごろの高度経済成長期に、急速に張り巡らされました。その耐用年数は50年くらいだと言われていましたが、笹子トンネルの場合は50年も経っていません。

飯田)そうですね。

「耐用年数50年」は点検、整備を行った上でのもの

鈴木)国交省の方に取材をしたのですが、50年というのは、普段から点検や整備を行った上での50年だそうです。何もしないでの50年ではありません。50年神話のようなものを、現場にいたみんなが勘違いしていたのではないかということを、国交省の方は言っていました。そうであるならば、そういうことをしっかりとチェックして行かなければならない。法律を含めて、この事故後は厳しくなったのですが、チェックというのは専門性が高い仕事です。古い家ならば、壁にひびが入っていることは目に見えてわかります。ですが、ひびも何も入っていない部分を音で検査する。これには専門性が高い技術を要するのですが、その人材が減っています。そうなると、チェックがなかなか行き届かないということになって来る。だからこそ、放っておいてはいけない話です。国交省のデータなのですが、建設してから50年が経つ道路や橋は、あと10年もしたら半分以上も該当するのです。どこで何が起きてもおかしくないという危機感を、いま行政が持たなければいけません。そこに人材が必要ならば、どうして行くのかということも含めて話し合う。それができずにいると、また同じような事故が起こることになります。

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