ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月30日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。北朝鮮の党中央委員会総会開催について解説した。
北朝鮮で金正恩氏主催の朝鮮労働党中央委員会総会開催
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は28~29日、党中央委員会総会を開催した。北朝鮮が一方的に年末と定めたなか米朝非核化交渉の期限が迫るなか新たな方針が示される可能性がある。
飯田)会議がさらに続くと朝鮮中央通信が伝えています。
須田)通常、中央委員会総会は1日で終わります。この会合がいつ終わるかわからず、少なくとも2日間は続くでしょう。これは特別な意味合いを持ち金正恩委員長は特別なことを言いたいのだろうとみえてきます。ここでいう特別なことは北朝鮮が一方的に決めたアメリカからの核ミサイルの問題に関する回答期限が迫るなかで、アメリカは何らかの回答をする動きはありません。北朝鮮側はそう言ってきた都合上何かアクションを取らなければなりません。そこでどんなアクションを取るかというとレッドゾーンを超えてしまうとこれまでのトランプ-金正恩の関係が壊れ体制が危うくなる、あるいはアメリカからの圧力が強くなります。これはやらないと面子がつぶれますし、レッドゾーンを超えるとアメリカからのしっぺ返しがこわいという状況だと思います。
飯田)前門の虎、後門の狼 というようで、引くも押すも地獄で判断のしようがないような。
須田)年末に向けて大きな話題になったのがICBMのエンジンの燃焼実験です。大陸間弾道ミサイルを飛ばすとレッドゾーンを超えますから、刻んで実験をしてきました。
飯田)寸止めという感じですよね。
須田)あればかり注目されていますが、それ以外をみると陸海空問わずいろいろなアクションをとっています。計画があってアクションをするのではなく、カオスな状況のなかで実験や演習、ロケット発射が行われているように見えます。私が言いたいのは果たして統制が取れているのかです。軍が勝手にやっている可能性も無きにしもあらずかなと思います。注目すべきは金正恩委員長が全てのことに関して、父親の金正日総書記のように全てをハンドリングコントロールできているか見極める必要があります。ハンドリングができていないとするとこの体制は意外と脆弱ではないかということになります。これまでなぜ抑え込んできたのかとなると経済的な恩恵があったからこそですよね。29日共同通信が配信したのですが北朝鮮の漁船が日本海沿岸、佐渡島にうちあげられたと。漁船には一部破損して、白骨化した遺体があったということです。この状況、200隻近く漂着するところだけをみても経済的には非常に厳しい状況に追い込まれていると。あの装備・漁具の船で日本海にこのタイミングででてくるというのは相当なリスク、やらなければいけない事情があると思います。
飯田)今年は日本の経済水域、大和堆で北朝鮮と思われる船と水産庁の船がぶつかり向こうの船が大破したということで、船には60人乗っていたと。関係者に聞くと日本の船は網の巻き上げ機械ですが、北朝鮮はそれを人力でやるために60人くらい乗ってるものだと言います。これは相当疲弊してます。
須田)表面的には観光施設をつくったり経済成長していますが、実体経済はどうなのでしょうか。特に平壌ではチョコレートパフェ食べられるらしいです。それに対して地は飢餓にあえいでいます。その飢餓を癒すために国内でダブついている覚醒剤を打つとかです。この極端な格差がどういったことを招くのか考えなければなりません。
飯田)逆に言うと制裁が効いているということですか。
須田)相当効いていると思いますよ。だからこそ、小泉訪朝のときに仲立ちになってもらいたかったのかというと体制保障のためです。体制保障はトランプ大統領と金正恩委員長の間で成り立っているわけなのでいまの状況よりよくするとなると経済制裁の解除、経済支援ですよ。
飯田)それをやるには核を放棄ということですが、それが上手くいかない。
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