信州・長野で話題の「トンネル・峠カード」とは?
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ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」(1月26日放送)では、「峠の数日本一! 信州でもらえる『トンネル・峠カード』!?」というトピックスを紹介した。
信州・長野県は、日本でいちばん「峠」の数が多い土地。いま、そんな長野県に「峠」を目指して人が集まっているそうだ。その目的は「トンネル・峠カード」だという。いったいどんなものなのだろうか?
「トンネル・峠カード」を企画した、長野県庁建設部・技術管理室の長田裕司さんに、立川晴の輔が話を伺った。
晴の輔:信州・長野は、峠の数が日本一なのですね!
長田:長野県出身の作家・井出孫六氏らの『信州百峠』によると、ゆうに500ヵ所を超えるとされています。
晴の輔:気になるのは「トンネル・峠カード」ですが…。
長田:昨年(2019年)、建設業協会や民間団体と協力して作ったもので、11月22日に配布を開始しました。全国で初めての取り組みとなります。カードに描かれているのは、自分ではなかなか撮れないような魅力あふれる景色や、季節限定の様子などです。特徴のあるトンネルもたくさんあり、面白いものになりました。
晴の輔:「トンネル・峠カード」は、何種類ぐらいあるのですか?
長田:通常カードは4地域16種類、プレミアムカード4種類の計20種類です。プレミアムカードは各地域で4枚集めていただくと、1枚もらえます。
晴の輔:それぞれの地域の通常カードを全部集めたら、プレミアムカードが手に入るのですね。
長田:そうです。昨年、プレミアムカードを含めた20種類全てをコンプリートされた方もいらっしゃるようです。1ヵ月で延べ4000人の方が配布場所を訪れ、カードを手にしていただきました。
晴の輔:人気の峠やトンネルなどはありますか?
長田:今回のカードのなかでは、木曽地域のシンボル“御嶽山”が望める『九蔵峠』ですね。景色だけでなく、日本古来の在来種である“木曽馬”がいたり、夏場には甘いトウモロコシが楽しめます。
晴の輔:場所としても大人気なのですね。トンネルで人気なのは?
長田:国道158号を長野県側から岐阜県側へ通って行くと、途中で二叉に分かれる『入山トンネル』があります。国道158号側のトンネルは上高地につながっていて、もう1本は県道で『奈川地域・木祖村地域』につながっています。改良工事が進んでいるので、現在の姿を見られるのはいまだけ、カードだけになります。
晴の輔:長田さんがお勧めする峠やトンネルはありますか?
長田:私の出身地、南信地域にある『麦草峠』です。冬は閉鎖されますが、夏や秋などはとても美しい景色でお勧めですね。
晴の輔:トンネルはどうですか?
長田:よく出張で高速道路を使うのですが、岡谷インターチェンジ近くに『諏訪の三大奇祭』である『御柱祭』の御柱が、『塩嶺トンネル』の入り口に建っています。そこがお勧めですね。
晴の輔:トンネルも観光スポットということですね。
長田:そうですね。止まって見ることはできないのですが、いろいろなトンネルがあります。ぜひコンプリートを目指していただきたいと思います。それぞれ2400枚ずつ発行しており、パンフレット型のカードホルダーも配布しています。
晴の輔:カードは峠やトンネルで配布しているのですか?
長田:トンネルや峠の通り道沿いにある、『道の駅』や『観光施設』などで配布しております。
晴の輔:「トンネル・峠カード」を作ろうとしたきっかけは何ですか?
長田:長野県は県境、県内とも険しい山々で囲まれ、地域を人々や物が行き来するために峠道ができ、土木技術の進展でトンネルができました。そんな信州の歴史や、土木事業の担う役割にも思いを巡らせていただきつつ、長野県各地の観光振興などにつながることを期待して企画しました。
晴の輔:確かにトンネルが1つできるだけで、それまで険しい山道を越えていたのが、「ワープ」するぐらい楽になったわけですからね。
長田:時間短縮になるし便利で、とても重要なものだと思います。
晴の輔:技術の進歩があるからこそ、できたトンネルがあるのですね。
長田:さまざまなトンネルがありますので、土木技術という観点からも見ていただければと思います。
晴の輔:普通に暮らしていると完成したものしか見ていないから、そのトンネルができるのがどれだけ凄いことなのか、あまり考えないですものね。
長田:そうですね、通り過ぎてしまいますからね。