ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」(1月12日放送)では、「いよいよ地球の歴史に『チバニアン(千葉時代)』が誕生!?」というトピックスを紹介した。
「チバニアン」とは、ラテン語で「千葉時代」を意味する。千葉県市原市田淵にある歴史的に貴重な地層が、国際地質科学連合に認められれば、地球46億年の歴史に「チバニアン」…「千葉時代」が誕生する。
現在、3次審査まで通過したとのこと。そんな話題の地層を、ガイドつきで見学ができる「チバニアンビジターセンター」が、2019年末にオープンした。
(*注 2020年1月17日に国際学会が「チバニアン」と正式に命名決定)
「チバニアンビジターセンター」でガイドをされている鈴木理武さんに、立川晴の輔が話を伺った。
晴の輔:「チバニアン」は正式に決まりそうなのですか?
鈴木:まだはっきりとしたことはわかりませんが、あとは4次審査を残すだけで、大差を付けて認められております。イタリアの2ヵ所と争っていました。
晴の輔:「チバニアンビジターセンター」は、どのような状況ですか?
鈴木:多くの人が訪れております。実際の地層は露頭が出ていますが、見た目にはわからない部分が多いと思います。
晴の輔:素人が地層を見ても、ある種の模様にしか見えない?
鈴木:普通の地層は模様に見えますけれど、この地層は全部、泥岩層で『しましま』が無いのです。全部同じ地層が連なっている状態です。
晴の輔:模様ですらないのですね。説明を受けてから見るのと、ただ見るのとではまったく違うのでしょうね。
鈴木:全然違うと思います。
鈴木:正式には『新生代第四紀』『中期更新世』…年代で言いますと、77万年前~12万6000年前まで。その時代に名前が付いていないため、『チバニアン』にしようということで申請しているのです。
晴の輔:それが市原市田淵にある。その地層から何がわかるのですか?
鈴木:いちばん大きいのが77万年前に、いまの御嶽山よりも古い、古期御嶽山が噴火して海底に降り積もった火山灰が、地層に出て来ています。
晴の輔:地層から御嶽山だということがわかる。
鈴木:火山灰層の成分などを分析して、どこの火山で、いつごろ噴火したものかわかるそうです。また、地層が切れずに続いている状態なので、地球の地磁気が逆転したことが『逆転の地層』としてよくわかります。
晴の輔:77万年前に逆転し、北の極と南の極が変わる…そこからいまに至るのですね。
鈴木:そうです。極端に言うと、「明日に変わってもおかしくない」状況です。
晴の輔:ちなみにそのころ、生き物はいたのでしょうか?
鈴木:大型哺乳類、特に『マンモス』がいたのではないでしょうか。また、人間で言うと『北京原人』が50万年前~30万年前ぐらい。現生人類の誕生である『ホモ・サピエンス』が20万年前と言われています。
鈴木:地球の歴史である46億年を1年で例えると、『チバニアン』は12月31日の午後10時32分ぐらいにあたります。紅白歌合戦も後半に入ったころです。
晴の輔:地磁気が変わると、生き物に影響はあったのでしょうか?
鈴木:いままでは特に影響はなかったようです。地磁気が乱れてしまっても、大気圏というバリアで『太陽風』や『宇宙線』からは防げるのではないかと思います。植物には影響がありませんでしたし、動物も同じです。ただ、それも調査段階とのことです。
晴の輔:いま聞いたようなお話も、地層から読み取れるのですね。
鈴木:地層に『色別の杭』が打ってあり、ここまでが『逆転』、ここは『移り変わり』、ここが『現代の地層』とビジュアル的にわかるようになっています。そこに77万年前に噴火した『御嶽山』の火山灰層が入っていて、時代特定もできます。それら全てが見られるのはここだけですので、たいへん貴重かと思います。