黒部の牧場で「子牛の命名権」が販売される?
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ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」(2月2日放送)では、「あなたが名付け親に! 黒部の牧場で子牛の命名権を販売!?」というトピックスを紹介した。
富山県黒部市が運営する「くろべ牧場まきばの風」が、今年(2020年)4月から「命名権」を販売する。今年4月以降に生まれる、子牛の命名権だという。
「くろべ牧場まきばの風」職員の橋詰剣さんに、立川晴の輔が話を伺った。
晴の輔:「くろべ牧場まきばの風」が、命名権を販売されると聞きました。牛に名前を付けてもいいのですか?
橋詰:雄牛は生まれてすぐに売却されるため、命名権は雌の子牛が対象となります。例年、年間で60頭ほど産まれるなかで、半分の30頭ぐらいが雌牛です。
晴の輔:「命名権」はおいくらなのでしょうか?
橋詰:1頭あたり1万円になります。内訳として、名付けた子牛の哺乳体験・餌やり、牧場にあるレストラン『MOOガーデン』で使える3000円分の商品券、そして職員が作ったオリジナルの『日めくりカレンダー』。これらを合わせて1頭1万円です。
晴の輔:そんなにいろいろと付いて来るのですね! どんな名前を付けてもいいのですか?
橋詰:4文字以内、カタカナならOKで、小文字は使えません。最近ですと、職員が付けた名前では『リコピン』や、昨年(2019年)5月ごろの『レイワ』があります。
晴の輔:始めたきっかけは何だったのですか?
橋詰:これまでは産まれる子牛の名前を職員が付けていましたが、もうバリエーションが出て来ない。考えること自体が事務の負担になってまいりましたので、これを市民のみなさんや、旅行に来られたみなさんに提供してみようと思って始めました。
晴の輔:年間60頭が生まれると、60もの名前を付けなければならないので大変ですよね。でも、一般の方が名付けるとしたら楽しいです。名前をつけた子牛には愛着がわきますよね。
橋詰:そうですね、成長を見守ることができます。ただ、うちの牛は5~6年して高齢になるとミルクの質が落ちることや、病気がちになります。そうなりますと命をいただいて、食肉として販売することになります。
晴の輔:なるほど。いろいろな意味で勉強になります。
橋詰:名前を付けた子どもたちが、命のことを考えるきっかけになります。
晴の輔:それが4月から始まるのですね。問い合わせはありますか?
橋詰:最近ですと、ももクロのファンである『モノノフ』の方から、「名前を付けさせて欲しい」とお問い合わせがありました。昨年4月に宮野運動公園で『ももクロ春の一大事2019』というイベントがあり、牧場にも遊びに来ていただきました。
晴の輔:その人は絶対に「モモクロ」と付けますよ!
橋詰:そうなるだろうなあ、と思っております(笑)。
晴の輔:家族で1頭の仔牛の名前を付けたら、何だか家族みたいなものですよね。
橋詰:そうですね。うちの仔牛には『耳標』という番号が打ってあり、そこで特定します。その耳標番号をサイトで検索していただくと、現在の状況などを確認することができます。
晴の輔:ときどきは実際に見に行ってもいいのですよね?
橋詰:はい。牧場は防疫の観点から、いつでも入れるわけではないのですが、イベント時には『牛舎見学』でなかに入り、自分が名付けた牛を見ることができます。
晴の輔:雌は30頭しかいませんが、応募が殺到したらどうなりますか?
橋詰:その場合は抽選を考えています。生き物ですから、何回かに分けて募集しようかと考えています。
晴の輔:初めての試みですものね。
晴の輔:黒部というと、観光地としてはどんなものがありますか?
橋詰:山の方から申しますと、『宇奈月温泉』。冬季はやっておりませんが『トロッコ電車』や、平野の方に来ると天然の湧き水が出る『清水』がたくさんあるので、『清水巡り』ができます。富山湾は、天然のいけすと言われるぐらい新鮮な魚が獲れますので、豊富な魚介類が楽しめます。
晴の輔:パッと思い付くのは黒部ダムですが、山から海までいろいろな幸があるのですね。そして「くろべ牧場」。高台からきれいな風景を見下ろせるのですか?
橋詰:富山湾を一望できて、能登半島の方まで見えます。
晴の輔:牧場としての売りは何ですか?
橋詰:農家さんから牛を預かって育成する事業や、市が所有する乳牛を育て、ミルクの販売、ソフトクリームやジェラートなどの乳加工製品の販売をしています。
晴の輔:家族連れで行く場合、何か体験などはできますか?
橋詰:『搾乳体験』や『バター作り』、『ソーセージ作り』などもできます。