ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月18日放送)にジャーナリストの有本香が出演。GDP10~12月期が年率マイナス6.3%となったニュースについて解説した。
2019年10~12月期のGDP年率換算が6.3%のマイナス
内閣府が17日に発表した2019年10月~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の伸び率で、前の7~9月期と比較して1.6%のマイナス。仮にこのペースが1年続くとした年率換算では、6.3%のマイナスとなる。
飯田)特に個人消費が伸び悩んでいると言いますか、かなり冷え込んでいますね。
いちばんの要員は消費税増税
有本)もちろん、いちばん大きな要因は消費税増税です。10月は大きな台風も発生したので、その影響もあったと思いますが、増税のマイナス影響はやはり来ていますよね。
飯田)あのときは駆け込み需要がなく、その山がない分、谷もなく済むというようなことも言われていました。
有本)駆け込み需要なんてあるわけがありません。その次に増税が来ることがわかっているので。過去の消費税増税を導入したときとは違いますよね。
飯田)そうですね。
有本)今回は新型コロナウイルスの影響も、次の期では数字に反映されると思います。
飯田)1月からですね。
有本)本当にきびしい状況です。個人消費の伸び悩みというのは、ずっと言われて来たことですよね。
飯田)増税前から、おかしくなっているということは言われていました。
デフレ脱却できない理由
有本)デフレを脱却できない理由も、ここに全部が集約されています。要するに給料が上がらないのですから、個人の方たちがお金を使うことなんてありません。過去と比べれば、経済をある程度持ち上げたということはあるのですが、アベノミクスが7年間で当初目指したデフレの脱却。みんなが安心して次の人生を考えられる、そのために健全な消費をして行くというような軌道には、残念ながら乗っていません。まだ乗り切らないうちに消費税を上げてしまったのは残念でした。
飯田)いまのところは失業率が低いので、雇用環境はある程度改善しています。しかし、さらに賃金が伸びてというところまではつながっていないですよね。
有本)簡単なことではないと思いますが、日本以外の先進国はどこも一応上がっています。
飯田)そうですよね。年率2%ほどの伸びで進んでいますね。
新型コロナウイルスのマイナス影響も含め、立ち止まって考え直す時期
有本)もう1度、立ち止まって考え直すときです。新型コロナウイルスのマイナス影響がどのくらいあるのか、まだ計り知れません。つなぎ融資など、いろいろなことでバックアップするとは言っていますが、それよりも人が動かなければ経済は止まってしまいます。
飯田)“えみこさん”からメールでいただきました。「土日に横浜駅の周辺を歩くことが多いのですが、いつもは『人、人、人』の横浜なのに人が少なくてびっくりしました」ということです。この間の週末のことですね。「外国人もまったく見られませんでしたし、不要な外出も減らしているのですね」と。これが経済に与える影響ですよね。
有本)はい。あまりにも景気の悪い話をすると、日本の場合は言霊信仰が強いので、「景気の悪い話をするな」と言われることもあります。しかし、考えられることは特定分野だけには限られません。「外出をやめなさい」とか、「人の集まるイベントを中止しろ」という話になって来ます。感染症は人が動くことで感染が広がるのがいちばんの問題なので、それを封じ込めるということは、経済も同時に止めてしまうということです。先行きが見えなくなってしまい、今年(2020年)は年の初めからよろしくないですね。
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