「テレワーク」も東京オリンピックのレガシーとして残すことができる

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月20日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。小池都知事が企業に呼びかけたテレワークの取り組みについて解説した。

「テレワーク」も東京オリンピックのレガシーとして残すことができる

【小池都知事がIOCのコーツ調整委員長と会談】IOCのジョン・コーツ調整委員長(左)と会談する小池百合子東京都知事=2019年10月25日午後、東京都新宿区の東京都庁 写真提供:産経新聞社

小池都知事、都政運営方針表明でテレワークを企業に呼びかけ

19日、今年(2020年)初の東京都議会の定例会が開会し、小池都知事が1年の都政運営の方針を表明した。このなかで都知事は、東京オリンピック・パラリンピックに向けて都が推進しているテレワークや時差出勤などの取り組みについて、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにも企業が推進して欲しいと強く呼びかけた。

飯田)いろいろなご意見をいただいています。愛媛県の“フク”さんから、「新型肺炎の対策をやっている印象は、私の会社では受けませんね。個々の対策に任されています。地方の中小企業の社員なので、テレワーク、時差出勤なんて無縁です」と。大手はできても中小企業は、という部分は地方に限らず東京でもありますよね。

鈴木)考え方によっては、政府が「やれ」と方針を出せばいいのです。いきなり大企業や、東京のような大都市などでやるよりは、むしろ政令市や中核都市のほうができるかも知れません。中小企業にお金がないのであれば、何らかの形で支援するのでもいい。これは政治判断、決断ですから。

「テレワーク」も東京オリンピックのレガシーとして残すことができる

お台場海浜公園にお目見えした五輪マークのモニュメント=2020年1月17日午前、東京都港区 写真提供:産経新聞社

「テレワーク」をレガシーとして残す

鈴木)そもそも小池都知事は、オリンピックのレガシーが何かということを出していた。これまではレガシーというと、オリンピックに合わせて作った施設、例えば国立競技場の建て替えなどがありました。いろいろな批判もあるのだけれども、そのような目に見えるハードを建てた。これはその後も目に見える形で残る。そのようなものをレガシーだと思いがちでしたが、そうではなく、スポーツに関係ないことやソフト面でも、オリンピックをきっかけに残せるものがあるのではないか。そのなかの1つがテレワークです。テレワークは積極的なものというより、オリンピックの間に「たくさん人が来て、大変な交通状況になって普通に仕事ができないから、家でやる」という、どちらかと言えばネガティブな話でした。しかし、これをきっかけにテレワークで新しい働き方を試す。これもレガシーになるのではないかという発想なのです。とても面白いと思います。

「テレワーク」も東京オリンピックのレガシーとして残すことができる

【東京2020オリンピック1年前セレモニー】セレモニーに臨む小池百合子都知事、東京2020組織委員会の森喜朗会長、IOCのトーマス・バッハ会長、安倍晋三首相=2019年07月24日 午後、東京都千代田区  写真提供:産経新聞社

パラリンピックから高齢化社会に活かすレガシーもある

鈴木)パラリンピックにしても、世界中にはいろいろな国の障害に対する考え方があります。そのような人たちがたくさん集まって来る。そういった方々と、東京の健常者が接する機会になるわけです。「こんなに発想が違うのか」「こうやって共生社会ができるのか」などと、これまでよりもポジティブに考えられるようになるかも知れません。それはオリンピック・パラリンピックが終わったあとも、スポーツだけではなく、高齢化社会に活きて来る可能性があるのです。高齢者だって足が弱くなったり、体がおかしくなって来る。今後の高齢化社会のなかで、そこに何かヒントがあるのではないか。これも、レガシーなのです。

「テレワーク」も東京オリンピックのレガシーとして残すことができる

【新型肺炎】羽田空港から出る救急車=2020年1月29日午前、東京・羽田空港 写真提供:産経新聞社

新型コロナウイルスのオリンピックへの影響~国としてのボイコットはないが、選手が来ない可能性がある

鈴木)ところがここに来て、新型コロナウイルスです。これは大変な状況になる可能性もあるわけです。オリンピックがどうなるのかということに関して、東京都の幹部が言うには、森会長は「平気だ」というニュアンスのことを言っていたけれども、IOCはかなりピリピリして調べているようです。感染者がどうなのか、病院はどうなっているのかと。世界中の競技団体から「心配だ」「選手が行けません」という声が挙がっているようです。オリンピックに向かって、この感染をどう防いでメッセージを出して行くのか。レガシー以前の話なのです。その辺もこれから大変だと思います。

飯田)リオオリンピックのときも、ジカ熱で出場を辞退した選手が何人かいました。そのくらいスポーツ選手は、自分の体についてはセンシティブですよね。

鈴木)国としてのボイコットはないかも知れませんし、IOCは中止だ、延期だとは言わないかも知れないけれど、選手自身が「行かない」と言い出したら、極端な表現ですが旗だけが集まってしまう。国旗だけが集まっても意味がありません。

飯田)実態が伴わない。

鈴木)ここはもちろん収束しかないのだけれども、それに対してどのように情報を発信して行くのか、信頼を高めて行くのか。これは大仕事です。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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