新型コロナウイルス~改めて求められる“正しく怖がること”

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月4日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。新型コロナウイルスに対する各国の対応について解説した。

【新型肺炎関連】薬局ではトイレットペーパー等が完売していた=2020年3月3日午前、大阪府東大阪市 写真提供:産経新聞社

新型コロナウイルス~インドが日本人に発給したビザを無効化

インドの入国管理局は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、まだインドに入国していない日本人に発給したすべてのビザを無効化すると発表した。すでに入国済みの場合は対象外となる。

飯田)そもそもビザの発給はここに来て厳格化していたのですが、さらにすべてのビザを無効化すると発表しました。

ニューデリー行政区にあるコンノートプレイスのスカイライン(デリー-Wikipediaより)

新型コロナウイルスに対する2段階の感染防止

佐々木)これだけを見て、「日本人は世界から見捨てられている」と捉えるのは間違いです。今回の新型コロナウイルスを、エボラ出血熱のような恐ろしい病気と混同している人が多いのですが、インフルエンザに近い病気です。2段階の感染防止を行っていると専門家は言っています。第1段階は水際作戦で、とにかく日本に入れないようにする。ダイヤモンド・プリンセス号の乗客を船上隔離して降ろさなかったのは、水際作戦です。しかし新型コロナウイルスの特徴は、感染してから潜伏期間が非常に長いということです。1~2週間の間に軽症、または無症状の人たちが感染を拡げてしまいますので、完全な水際作戦は難しい。そうすると第2段階で市中感染となったら、医療崩壊を防ぐために軽症者の人は家でじっとしていただいて、重症者だけを病院に収容して治療するというものです。2段階にする理由は、水際作戦をしないと一気に重症者が増え、ピークが高くなってしまうからです。まず水際作戦で感染者を増やさないようにして、その間に医療体制を整備し、ワクチンの開発を待つ。実際にアメリカでは、ワクチンの臨床試験が始まるとされています。それでピークをやりすごしてから、徐々に普通のインフルエンザのように対策を練って行くということです。

新型肺炎拡大 複数の感染者が確認されたライブハウス 撮影日:2020年3月1日午後 大阪市都島区 写真提供:産経新聞社

市中感染前提の態勢となる日本~インドの判断は妥当

佐々木)専門医の発言を読むと、日本は水際作戦が崩壊しつつあって、2月24日の段階で「ここから1~2週間、水際作戦で食い止められるかが肝だ」と言っているお医者さんがいました。それは今週末か来週明けで終わりでしょう。でも感染者は減っていないので、おそらく無理だと思います。来週からは水際作戦ではなく、市中感染を前提にした態勢に整えるという段階に日本は来ています。たぶんインドなど他の国はそこまで行っておらず、水際作戦をやらなければいけない段階なので、日本はもう市中感染しているから、インドに入れないというのは妥当な判断でしょう。現状で世界中の感染者数を見ると、市中感染しているのは中国、韓国、日本、イラン、イタリアです。フランスも感染者数が200人近いので、そろそろ危ないです。日本はPCR検査自体をあまりやっていないので、感染者数の全体像はもう少し多いのではないかという説もあります。

卓上型PCR装置(ポリメラーゼ連鎖反応-Wikipediaより)

検査を抑制しているのは重症者の治療確保のため~すべて政権批判につなげようとする野党

飯田)PCR検査そのものも、判定の感度があまりよくないとか。

佐々木)陽性的中率は6割くらいだと言われています。判明にも6時間くらいかかるそうです。手間も人手もかかるので、殺到すると対応しきれません。その間に重症者がないがしろにされかねないので、検査を抑制しているというロジックです。いまだに「感染者数を少なくするためにやっている」とデマを言っている人がいますが、そんなことはありません。ここはインドも日本の対応も真っ当なものだと思いますし、我々は冷静に推移を見守ることしかできません。手洗いうがいをきちんとしましょうということです。

飯田)人ごみをできる限り避けるとか、時差出勤やテレワークで何とか対応すると。

佐々木)何でもかんでも政権批判につなげようとする人が多くてうんざりです。それこそ学校の休業要請も「子どもの感染者数が少ないのにどういうことだ」と言うのですが、感染しているけれど無症状の子どもが多いので、子どもを経由して感染する可能性があるから、子どもを1ヵ所に集めるのはやめようということです。理にかなっていると思いますが、何をやっても批判するという対応はやめたほうがいいと思います。3.11の教訓をもとに考えると、正しく怖がるべきです。感染の専門家が言っていることを横断的に見聞きして、彼らが言っていることを信じるのが大切だと思います。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

医療崩壊を防ぐことが必要

飯田)いちばん危惧するのは、医療崩壊をいかに防ぐかですよね。無症状、軽症の人たちまでもが検査のために病院に殺到すると、本当に必要な重症者に医療が届かなくなってしまう。

佐々木)みんな言っていますよね。それなのに野党は国会で「全員検査しろ」などと叫んでいて、もう少し専門家の意見を聞いてほしいです。

番組情報

飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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