のんが歌う昭和歌謡に、おじさんたちもメロメロ?!
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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第790回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、3月6日から公開の『星屑の町』をご紹介します。
人気舞台が待望の映画化!
売れないムード歌謡コーラスグループ、山田修とハローナイツ。大手レコード会社の元社員・山田修をリーダーに、歌好きの飲み仲間や売れない歌手が集まって結成し、十数年が経つ彼らだったが、これといったヒット曲もなく、ベテラン女性歌手のキティ岩城と地方を回りながら、細々と活動を続けていた。
ある日、修の生まれ故郷である東北の田舎町に巡業にやって来たメンバーたち。そこで出会ったのが、久間部愛という女性。彼女は、修の甥っ子の幼なじみ。母が営むスナックを手伝いながら、歌手になることを夢見ていた。
そんな彼女がハローナイツに入りたいと言い出したことから、騒動が巻き起こり…。
作家・演出家の水谷龍二とラサール石井、小宮孝泰が「笑ってホロリとする作品」を作ることを目指し結成したユニット「星屑の会」によって、25年にわたり上演されて来た大人気の舞台「星屑の町」が、ついに映画化。
昭和の時代を生きた人にとっては懐かしく、それ以降の時代に生まれた人にとっては、一周回って新しい。そんな昭和歌謡の名曲に乗せて、大人のための音楽娯楽映画が誕生しました。
ヒロイン・久間部愛を演じるのは、6年ぶりの実写劇場映画出演となるのん。垢抜けない田舎娘がステージで大輪の花を咲かせるまでを可憐に演じ、華やかな銀幕復帰を果たしました。
またハローナイツのメンバーに、大平サブロー、ラサール石井、小宮孝泰ら舞台版でおなじみのキャストが集結しているのも嬉しいところ。ベテラン歌手・キティ岩城役で出演する戸田恵子の透明感あふれる歌声も、必見ならぬ必聴ポイントです。
笑いと涙が散りばめられた本作を支えるのは、何といっても昭和歌謡の名曲たち。
「恋の季節」「宗右衛門町ブルース」「ほんきかしら」など、誰もが耳にしたことのある歌謡曲が続々と登場。時代を超えて復活した昭和の歌は、令和の時代に聴いても生きる元気や勇気を与えてくれます。
映画を観た帰り道には、思わず口ずさんでしまう?! ほっこり温かな気持ちに包まれる、ウェルメイドな1作です。
『星屑の町』
2020年3月6日(金)から全国ロードショー
原作・脚本:水谷龍二
監督:杉山泰一
音楽:宮原慶太
撮影監督:佐光朗(J.S.C)
出演:大平サブロー、ラサール石井、小宮孝泰、渡辺哲、でんでん、有薗芳記、のん、菅原大吉、戸田恵子、小日向星一、相築あきこ、柄本明
(C)2020「星屑の町」フィルムパートナーズ
公式サイト https://hoshikuzu-movie.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/