【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね　第787回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X（トーキョー シネマ クラウド エックス）」。

今回は、2月29日公開の『ママをやめてもいいですか!?』をご紹介します。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

すべてのママを応援する、感動と共感の育児ドキュメンタリー

「ママをやめてもいいですか？」と、家族や友人から言われたならば、恐らくほとんどの人がドキッとしてしまうのではないでしょうか？　そんな刺激的な言葉がそのままタイトルとなった映画が、全国の映画館で順次公開となりました。

『ママをやめてもいいですか!?』は、累計90万人以上を動員した映画『うまれる』シリーズの第4弾となるドキュメンタリー。

これまで映像作品としてはあまり語られることのなかった「ママの子育て」にスポットを当て、“産後うつ”や“孤独な子育て”、“夫婦のすれ違い”など、命を生み育むことの難しさや苦悩、そして喜びと偉大さが、大泉洋の温かみある語りとともに映し出されています。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

本作を製作するにあたり、「ママをやめてもいいですか」と思ったことがあるかどうか、400人のママを対象にアンケートを行いました。すると、何と約8割のママが「ママをやめたい」と1度は思ったことがあるという結果が出たのです。

この調査結果からもわかるように、想像以上に多くのママが育児について悩み苦しんでいる現状が浮かび上がって来ました。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

“笑って泣ける子育てエンターテインメント”と謳うこの作品には、子育てに奮闘する母親や、その家族の姿がリアルに描かれています。

産後うつを乗り越えて、新しい命の誕生を迎えようとしているママ。子育てで母親が心身を病んで自殺してしまったという過去、そしてその傷と向き合いながら子育てをするママ。子ども時代の辛い経験から、我が子を抱きしめることができないママ。

カメラに向かって自身の思いを吐露する女性たちからは、育児の過酷さ、そして蓄積して行くプレッシャーや孤独感がひしひしと伝わって来ると同時に、子どもへのあふれんばかりの愛情が伝わって来ます。

心の内を赤裸々に語るその言葉のひとつひとつに、子育て中の人はもちろん、子育てを経験したことがある人ならば何度も「いいね！」ボタンを押したくなってしまうことでしょう。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

そして、子育てに悩むのはママだけでなくパパも同じ。男性なりの悩みや苦しみにも焦点を当て、子育てについて、そして家族の在り方について、改めて考えさせられる一幕も。

“子育てのリアル”という重いテーマを扱いながらも、感動と共感と笑いをバランスよく散りばめている本作。映画を観たいと思っても映画館に足を運びづらいママのために、赤ちゃんと一緒に映画を楽しめる「ママさん上映」や、地域での自主上映会も積極的に行っています。

ママだけでなくパパである男性も、是非！

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

『ママをやめてもいいですか!?』

2020年2月29日（土）から新宿シネマカリテほか全国順次公開
企画・監督・撮影：豪田トモ
ナレーション：大泉洋
音楽：
オープニング曲「BEYOND LOVE」　作詞：一青窈　作曲：パッパラー河合　歌：一青窈
エンディング曲「マンマミーヤ」　　作詞：豪田トモ　作曲：パッパラー河合　歌：榎本司・大島美優・笠松基生・新貝純加
(C)2020 IndigoFilms
公式サイト　http://www.umareru.jp/mamayame/