相模原殺傷事件で死刑判決~死刑をもって臨むしかない
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月17日放送)にジャーナリストの有本香が出演。相模原市の障害者施設殺傷事件の判決結果について解説した。
相模原障害者施設殺傷事件、植松被告に死刑判決
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、利用者ら19人を殺害し、26人を負傷させたとして殺人罪などに問われた元やまゆり園職員の植松聖被告に対し、横浜地裁は16日、求刑通り死刑を言い渡した。
飯田)青沼潔裁判長は被告の完全責任能力を認めた上で、「計画的かつ強烈な殺意に貫かれた犯行で、19人もの命を奪った結果は、他の事例と比較できないほど甚だしく重大だ。遺族の峻烈な処罰感情は当然で、死刑をもって臨むほかない」と述べました。
有本)そういうことなのでしょう。
飯田)私は当時、夕方の番組をやっていました。犯行が未明に行われたということで、夕方の番組の時点では刻一刻と情報が入って来て、これは凄惨な事件だ、大変なことになっていると思いました。社会に与えた衝撃も非常に大きかったでしょうね。
責任能力の有無が争点に
有本)大概この種の事件では、責任能力の有無ということが言われるのですが、いろいろな状況を読み聞きすれば、責任能力がないと言うにはあまりにも無理があるでしょうね。
飯田)「政界に向けてのメッセージだ」という声明のようなものまで出ていました。弁護側は「大麻による精神障害であって、善悪を判断する能力はなかった」と言っています。
有本)検察側は、大麻による影響は軽微だとしています。人格的な偏りがあることと、責任能力なしということは次元が違いますからね。
飯田)凶器も複数準備していたなど、計画的である。そして、園での勤務経験があって、そこから犯行を思いついた。その辺りは完全な責任能力があるではないかということですね。
有本)ある種の思想的なことと結び付けようという論も当時はありましたが、そういうところとも違います。
インターネットは玉石混淆~悪とみなしても意味がない
飯田)それと、ネットでの書き込みなどもいろいろ出て来たので、「ネットの影響が」「やはりネットで荒れる若者」という切り口も当時はありました。
有本)飛躍しやすいのだと。本当に極端な例をもってネットそのものを悪に見立てても、ほとんど意味のない話ですからね。
飯田)結局そこで悪者探しをしたところで、ある意味ネットも社会そのものであり、玉もあれば石もある世界です。
有本)もともとネットは玉石混淆ですよね。そこをもってその装置を悪とみなしても意味がないし、過去にも猟奇的な殺人事件があると、例えば見ていたビデオ作品が悪いとか、必ず犯人捜しになるわけです。
飯田)「こんな趣味を持っていたからいけないのだ」とか。
有本)そういったことは本質論ではないですよね。
飯田)社会に病理がまったくないとは言いませんが、切り分けはきちんとやるべきです。
有本)間違ったものを弾圧するという方向に行ってしまいがちですからね。
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