新型コロナの拡がり方~感染少ない地域にはどんな理由があるのか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月19日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。新型コロナウイルスにおける実効再生産数について解説した。
実効再生産数
19日に行われる政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で、国全体の実効再生産数を公表する方向で調整していることがわかった。実効再生産数はウイルスや細菌などの感染力を数字で表すもので、1人の感染者がうつす平均人数を表したもの。
飯田)1人の感染者が1人以上(R0=1)よりも高くなると、少しずつ拡がることになります。R0が1よりも低ければ、そのうち収束するということです。
感染が少ない地域が「なぜ少ないのか」という分析もするべき
鈴木)専門家会議の位置づけとして、政府が後手に回っているなどの問題もありましたが、何を信じればいいのかというときに、専門家会議の記者会見は信頼性があると思います。簡単に言えば、医者へ行って安心することに近いものがあります。ですから、専門家会議の出す情報や数字は大きいと思います。専門家会議を法的に位置づけてもいいと思うくらいです。そのなかで、専門家会議にいろいろな数字をわかりやすく出して欲しいのですが、私が思うのは情報公開の在り方です。先日、福岡のテレビ局で報道番組に出演しましたが、そこでは九州の感染者数を毎日取り上げるのです。九州は意外と少なくて、まだ数十人しかいません。そこでふと思ったのが、「なぜ少ないのか」という分析がないということです。感染が拡がっているという数字は見ているけれど、少ない地域もあるわけです。それは「感染をみんなで防いだからですよ」のひと言で片付けられるようなものではないかも知れません。風土や気候、医療体制を含めて、専門家から見た「少ない理由の分析」をして欲しいです。いまは危機管理上、増えたら大変だということばかりに分析が行きますが、なぜ少ないのかも聞きたいところです。
情報公開の重要性~感染ルートの把握のために
鈴木)それから情報公開という意味では、感染者のルートを追いますよね。北九州市でタクシーの運転手さんが感染しました。タクシー会社と行政がチームを組んで、お客さんの記録から誰なのかわかっている人はいいのですが、俗に言う流しの人、手を挙げて止めた人は誰だかわかりません。そういう人たちが5人くらいいたそうですが、「何時にどこで乗せて、どのルートを通って何時にどこで降ろした」という情報まで、すべて出したのです。情報にはプライベートなものもあるから難しいのですが、この場合は企業と自治体が協力して、しっかりと出したのです。そうすれば乗った人は自分だと思うし、そういう意味でも情報公開は大事になります。前向きに情報を出して欲しいと思います。
地域によって異なる感染の拡がり
飯田)疑心暗鬼になっていて、批判的な人から見ると「数字が少ないのは検査が必要な人を検査していなからではないか。粉飾だ」とまで言う人がいます。でも本当はそうではなく、予防がうまく行っていたり、過疎化が進んでいるところだと、そもそもの母集団の少なさで感染が少ないというところもあります。
鈴木)なぜその地域が少ないのかという分析も欲しくないですか? これが見えると参考になります。光が見えるでしょう。
飯田)基礎自治体の保健所の人には、そういうものも見えているのかも知れませんね。
鈴木)それはあるかも知れません。ぜひやって欲しいです。
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