新型コロナ~専門家会議で話題になる「実効再生産数1」の意味
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月30日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。新型コロナウイルスの感染状況について解説した。
東京都、週明けも不要不急の外出を控えるよう呼びかけ
東京都内で新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、東京都は週末、不要不急の外出を控えるよう呼びかけたが、30日以降も平日はできるだけ自宅で仕事を行い、夜間の外出を控えてほしいとする呼びかけを当面続けることにしている。
飯田)埼玉県の大野元祐知事も、30日以降も東京都内の歓楽街などに不要不急の用事で出かけないようにと、県民に呼びかけております。新型コロナの感染者数ですが、29日は新たに68人の感染が確認されたという東京都の事例などが出ています。増えていますね。
須田)特に感染源や感染ルートが特定できないというところで、警戒を強めているのでしょう。そのなかでも歓楽街ですね。銀座や新地ではサービスする人が感染しているという事例が出て来ていますから、行かないようにして欲しいですね。
実効再生産数が1以上になれば医療崩壊に
須田)実効再生産数というものがあります。1人の感染者が何人に感染させるのかということを言うのですが、1を超える、つまり1人の感染者が1人以上に感染させると指数的に増えてしまうので、何とか1以下に食い止めようという状況になっているわけです。1ギリギリのところであれば、「1で踏みとどまっている」という表現になるようです。「まだギリギリの状況で踏みとどまっています」というのは、1を超えていない状況です。1以上になってしまうと、医療崩壊につながってしまう。ですから、何とか1を超えないように頑張っているということだと思います。
飯田)専門家会議で実効再生産数が話題になりますが、感染力が強い人が出ると、一気に数字が上がってしまうと言われます。
須田)大体2割と言われています。感染能力の高い人や、感染者が感染能力のある人に感染させることが、最大のリスクなのです。これがいわゆるクラスターと言われる小集団です。爆発的な感染拡大につながるのでしょうけれども、それをさせないための目安となる数字が、「実効再生産数1」というラインなのだと思います。
問題は経路不明な感染
飯田)この数字を安定させるには、とにかく不要不急の外出は避けて、人がたくさん集まるところには行かないということを、地道に繰り返して行くしかないわけですよね。
須田)そうですね。ここへ来て爆発的に東京都内の感染者数が増えたのだけれども、台東区内の病院が感染源となった方が多く、そこについては濃厚接触者が誰なのか確認できる体制になっていますので、別途扱いした方がいいでしょう。
飯田)台東区の病院から発生したものに関しては、きちんと対処ができると。
須田)はい。問題なのは、感染しているけれど、どこから感染したのか不明だという方です。そうすると手が打てませんからね。
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