マンハッタン以外では緩い~ニューヨークの新型コロナの現状
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月30日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。新型コロナウイルスの感染が拡大するニューヨークの現状について、現地に電話をつないで訊いた。
新型コロナウイルス、ニューヨークでの感染拡大止まらず
アメリカの新型コロナウイルスの感染者数が27日に10万人を超え、東部ニューヨーク州がおよそ4万5000人と突出して多く、治療に必要な機材の不足が深刻化している。一方、トランプ大統領は週末に過去最大の2兆ドル(約220兆円)規模の景気刺激策法案に署名し、3週間以内に年収820万円未満の大人に13万円、すべての子どもに5万5000円を支給する。
飯田)日本時間の7時前から、トランプ大統領が会見を行いました。イースターの休み開け、30日辺りから解除するというようなことも言っていたのですが、集会や外食などの行動の自粛要請は、4月30日まで延長されるということです。アメリカもかなり危機が深刻化しています。
須田)ニューヨーク発の情報では、病院から冷蔵車で遺体を運び出す映像などが拡散していますから、医療の限界を超えていて、これをどうコントロールして行くかという段階になっているのだと思います。
マンハッタン郊外ではテイクアウトの店がにぎわう~ビーチのボードウォークにも多くの人
飯田)アメリカ海軍の病院船をニューヨークに向かわせて、コロナ以外の患者さんを受け入れ、病院の余力を少しでも伸ばすような対策も報じられています。現地がいまどうなっているのか、電話をつないでその様子を伺いたいと思います。現地ニューヨークで日本料理店に勤めていらっしゃる、オグラノブユキさんです。いまの街の様子はいかがですか?
オグラ)交通量はいつもより少ないですが、出歩いている人はまだ多いです。食べ物については、テイクアウトやデリバリー店の前が賑わってしまって、警官が来る事態になったという話も聞きました。私が住んでいるところはニューヨーク郊外で、東京で例えると三鷹のようなところです。1.6メートルの距離を取るということで、個人の外出は許されているのですが、近くのビーチのボードウォークでは夏と同じくらいの人が集まってしまい、平日は閉鎖になりました。
飯田)デリバリーや持ち帰りで、お店も忙しいということですか?
オグラ)そうですね。マンハッタンでは通勤に交通機関を使わなくてはいけないので、感染の危険があるため、店をやっていないところが多いです。しかし、郊外の店は忙しいです。
飯田)経済対策として、トランプ政権はお金を出すことを決めましたが、それは末端にまで届いているのでしょうか?
政府からの現金支給も家賃の高いNYでは焼け石に水
オグラ)決められたことは正直にありがたいです。今後3週間くらいで支払いが始まると言われていますが、アメリカの緩さを考えると、いつもらえるかが心配です。ニューヨークは郊外でも家賃が高いので、一般家庭にもらえる金額では、1ヵ月分の家賃も払えないと思います。
飯田)焼け石に水のような感じになってしまうのですね。
マスクをする人も多くなく、新型コロナへの意識はまだ緩い
須田)ニューヨークでは、新型コロナウイルスに感染する恐怖は強いと思うのですが、オグラさんご自身の保険の状態や、近郊の病院の状況はどうなっていますか?
オグラ)感染に対して、こちらの人たちはまだまだ緩いかなと思います。最近は多くなって来ましたが、マスクをしている人はほぼいません。スーパーでも普通に買い物をしています。医療機関ですと、うちの地域では2ヵ所で検査を受けることができるのですが、予約してからでないと受けられないので、一般の人がすぐに診てもらえるという感じではないです。
飯田)日本人の方々も、ニューヨークにはたくさん住んでいらっしゃいますが、日本に帰ろうとする動きなどはありますか?
オグラ)多いです。早くニューヨークから離れたいと言う人もいます。
飯田)なるほど。オグラさんご自身はどうされるのですか?
オグラ)ありがたいことに、いまはお店がとても忙しいのです。店を守らなくてはいけないと思っています。
飯田)体調にくれぐれもお気を付けて、頑張ってください。ありがとうございました。段々と危機感が強まって来てはいるものの、まだ緩いということなのでしょうか。
日本への渡航は全面禁止に~必要となる現地に留まる人へのケア
須田)日本への帰国ですが、30日にアメリカから日本への渡航は全面禁止になりそうなのです。それは在米日本人も一緒です。そうなると、アメリカ、中国、韓国とすべて同じですが、外国に取り残されている日本人のケアをどうするのか、日本政府として考えて行かなければならないと思います。
飯田)武漢にはチャーター機を飛ばしました。今後は世界各国から、そういう形で帰って来られるのか。
須田)アメリカにいる日本人は40万人を超えていますから、現実問題として不可能です。
飯田)そうなると現地に留まって、在外公館がどこまでケアできるかということになります。
須田)先ほどの電話では答えていただけなかったのですが、アメリカの健康保険制度はかなり高額ですから、日本人でも入っていない方がたくさんいらっしゃるのですよ。それに対して、医療の資金的な意味でのケアも考えないといけません。
飯田)在外公館が、どこまで実数として把握できているのかというところですよね。一気にいろいろなものを突き付けられましたが、いままで平時のスキームでやっていたことができなくなりますね。
須田)有事に切り替えるという発想が、なかなか政治側にないですからね。
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