緊急経済対策~特効薬の開発が経済活動につながる理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月2日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。新型コロナウイルスの緊急経済対策について解説した。
安倍総理、緊急経済対策を来週まとめる方針
安倍総理大臣は1日の参議院決算委員会の答弁で、今後行われる緊急経済対策について考えを示した。
安倍総理大臣)我が国としてはリーマンショック時の経済対策を上回る、かつてない規模の対策を行っていきたいと考えております。そして前例にとらわれることなく財政、金融、税制を総動員して、思い切った措置を講じて行きたいと思っているところです。
恐怖指数の高まりが経済活動に影響~和らげるためには
飯田)思い切った措置をということですが、規模感としては税金で15兆円~20兆円、全体規模で60兆円と言われています。
鈴木)いろいろなことをやらなければいけませんが、遅いですよ。この前、取りまとめをして総理にも渡したけれど、あの中身ならもっと早く出せるのではないかという感じですよね。もう少し与党はもっと好きなことを…好きなことと言っても、お肉券やお魚券などというのはダメですよ。もっといろいろなことを提案して、官邸の尻を叩かなければいけません。それが与党の役目であって、野党にはできないことです。いまこそ与党の出番なのに遅すぎる。これからはもっと先手を打って欲しいという意味も込めて、あえて言います。
特効薬の開発がビックス指数を下げて経済活動につながる~薬の開発にお金をかけるべき
鈴木)財務省の幹部らと話したのですが、中小企業対策や現金配布ということもあるけれど、最大の経済対策は何かというと、薬なのです。ビックス指数(恐怖指数)というものがあって、社会の不安を数値化すると、いまはちょうどリーマンショックなどと同じ70~80です。20を超えると不安が高まって経済が壊れて行くのですが、いまはそれくらいになっています。安心感を持てば、経済活動も前向きに変わるのですが、それは薬ではないかということですよ。薬の開発は新型コロナウイルスに対しての特効薬というイメージですが、もし薬ができれば、安心感につながって経済活動にもつながる。お金をかける1つの先として、治験やワクチン開発に思い切ってお金をかける。薬の開発の仕組みについても規制を思い切って外して、薬にすべてをかけるというのも1つの方法だと言っていました。いろいろやらなければいけない視点の1つに入れていいと思います。
いまやるべき経済対策と先の経済対策を分けて考える
飯田)京都市の“けいちゃん”さんからメールが来ています。この方は京都市の信用金庫で、審査を担当している方だそうです。「資金繰りを、いろいろなところの応援も得て捌く毎日なのですが、事業者の方々は好んで融資を受けたいとは思っていない。まず現状の融資を返済条件の緩和で凌げるか、不足するのだったら融資を、と考えています。いずれにしても、先行きによって返済負担は重くのしかかりますので、いま経済が回復しなければ、今回の資金繰り支援が数年後に不良債権として、再び問題が起こってしまいます」といただいています。
鈴木)いまやる緊急対策と、お金や中身をきっちり分けて考えなければいけませんよね。とにかくいまは損失の補填です。中小企業にいま何が必要なのかということをまずやる。そして、その後の経済対策を考える。一緒にやってしまうと、後でしわ寄せが来ると思います。
飯田)一緒にやろうとするから遅くなってしまうし。
鈴木)一律で10万円~20万円を渡したら、損失補填の人たちは将来に備えて貯金してしまいますよ。それでは経済対策にならないわけです。この辺を切り分けてやらなければいけません。
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