なぜ「緊急事態宣言」が必要か~患者が増加する医療現場の実態

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月2日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。東京都医師会の猪口正孝副会長を電話ゲストに招き、緊急事態宣言の効果について解説した。

【新型コロナウイルス】原宿・竹下通りを歩くマスク姿の人たち=2020年4月1日午後、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

安倍総理、緊急事態宣言について「出す状況ではない」と発言

安倍総理大臣は1日、参議院決算委員会で新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について考えを示した。

 

安倍総理大臣)いまこの時点で、緊急事態宣言を出す状況ではないと、引き続き考えております。基本的には何よりも国民の命、健康を守ることを第一に判断して行きたいと考えているところでございます。

 

飯田)東京都の感染者を年代別に見ると、これまでもっとも多い78人の感染が確認された3月31日は、50代以上が24人だったのに対し、40代以下は2倍以上の54人だったということです。直近では若い人の感染も増えて来たということですが、経済と医療の見合いという部分もあるわけですよね。

鈴木)医療崩壊は絶対に防がなければいけません。しかし、それに伴って緊急事態宣言を出すべきだという論調が出ていますが、出せば今度は経済に影響が出ます。命を取るのか経済を取るのかという、二項対立が出て来ていないでしょうか。そうではなく、両方守らなければいけないのです。そのなかで緊急事態宣言をどうするのか考えなければいけないし、みんながいちばん信用できるのは、専門家の見解や意見なのですよね。政治家がいろいろなことを言っているけれど、この前は小池都知事の横に専門家が出て、記者会見をやりました。そうすることで、取材している側もそうだし、聞いている国民も安心して納得することができるのです。いまこそ専門家の人が前に出て、アドバイスをするタイミングなのだろうと思います。

参院決算委員会で言葉を交わす安倍晋三首相(左)と麻生太郎副総理兼財務相=2020年4月1日午前、国会・参院第1委員会室 写真提供:産経新聞社

猪口正孝氏が医療関係者の視点で現状を解説

飯田)いま現在、そして今後の医療体制について、専門家の方をお呼びしております。東京都災害医療コーディネーターも務めていらっしゃる、東京都医師会の副会長、猪口正孝さんです。先週もご出演いただいて、あれから1週間が経ちました。いまの状況をどうご覧になっていますか?

猪口)爆発的には増えていないと思いますが、やはり徐々に増加していますので、引き続き自粛体制を続けなければいけません。もしくは様子を見ながら、もう少し厳しい対策を取らなければいけないと思っています。

飯田)若い人たちの感染者が増えているという指摘もありますが、これについてはどうですか?

猪口)もちろん若い方たちが増えて、気づかないうちに感染者を媒介している可能性がありますので、若い人たちには自覚していただき、自粛してもらいたいと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急記者会見する東京都の小池百合子知事。今週末の不要不急の外出自粛を要請した=2020年3月25日午後8時18分、東京都庁 写真提供:共同通信社

医療側が「緊急事態宣言」を必要とする理由

飯田)いまは自粛要請が続けられていますが、一方でもっと強権的に緊急事態宣言を、という論調もあります。猪口先生は緊急事態宣言の発出について、どう思っていらっしゃいますか?

猪口)どうやら緊急事態宣言自体に大きな権限がないという話も聞いていますが、医療の立場からすると、入院医療提供体制が逼迫しつつある状況で、いまは軽症の患者さんもすべて入院という形で診ています。入院する意味合いは「健康状態を管理する」ということと、「うつさない」という意味合いの2つだろうと思います。しかし軽症の患者さんたちを入院ではなく、他の方法で診ることにつなげる作戦として、緊急事態宣言などが発せられると、やりやすい状況にはなると思います。

飯田)患者さんや国民側も、受け入れやすくなるという心理的効果が期待できるということですね。

猪口)私はそう思っています。

飯田)前回ご出演いただいたときに、入院ではない形で軽症者を診る作戦、それこそ見本市会場を改装するなどの対策を海外ではやっていますが、そういうこともこの1週間でより詰まって来たのですか?

猪口)具体的に話されてはいます。都知事が選手村を使うことについて話されたり、我々の話しているところではホテルです。いまは観光業が沈んでいますから、空いている部屋を使わせてもらえないかという話も出ているのですが、具体的になったという話はまだ聞いていません。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

懸念される医療関係者の感染~足りない現場の感染防護具

鈴木)最近、東京都の小池さんのメッセージが具体的になっている感じがして、「みなさんで自粛しましょう」と言うのではなく、「この年代、この層は自粛しましょう」「この場所は」と限定しながら情報を出していることがいいと思います。これからもそういう感じでやって欲しいのですが、いまは若い人のクラブや、中高年のバーなどが話題になりました。次はどの辺の具体的な層や場所が言われるのでしょうか?

猪口)いまはっきりと表れているのがその辺りで、若い人たちのクラブやライブハウス、カラオケ、歓送迎会。今度は接待業という話も出ていますが、具体的に数字が出ているものに対して対応していますので、新たなものということは特にありません。懸念されているのは病院での感染で、医療関係者が感染しています。医療関係者の感染が増加すると、ベッドなどを確保しても診る人間が減ってしまいますので、大きな問題だと思っています。小池都知事がどういう発表をするかということもそうですが、これからの懸念は、そういう部分もケアしなければならないということです。

鈴木)医療現場を集中的にやらなければいけませんね。

猪口)医療現場でいちばん必要なものは、PPEと言われる感染防護具です。マスク、ガウン、手袋、ゴーグル、キャップのようなものが十分にないと、いまや院内感染は紛れ込みなのですよね。PCR検査で陽性の人が入院するのならば、十分に警戒防御できるのですが、他の病気として入院されると感染をプロテクトする形で入院できていないだろうし、それだけの防御具がないのです。入院される方全員の感染防御をするために、防御具が欲しいです。

飯田)現場としては、だんだん足りなくなって来ているという声があるのですか?

猪口)じわじわと聞いていますね。

鈴木)マスクを1週間使い回しているという話もあります。

猪口)担当でない方であれば、自分の唾液を外に飛ばさないということでマスクは有用ですから、使い回しでも大丈夫です。

飯田)布マスクでもいいのですね?

猪口)布マスクでも大丈夫です。マスクのいちばんの効果は、唾液を外へ飛ばさないということですから。マスクをすることによっての予防効果は、あまり見込まれないとされています。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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