経済アナリスト・森永卓郎が、新型コロナウイルスの緊急経済対策として政府が行う30万円の現金給付について解説し、その政策について疑問を呈した。
新型コロナウイルスの緊急経済対策の30万円の現金給付について、給付の条件が厳し過ぎてもらえる人がほとんどいないのでは、という分析が相次いでいる。4月8日のニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」に出演した森永が解説した。
「給付金をもらえる方は2パターンあります。ひとつは、収入が激減して、住民税が非課税になった人。もうひとつは、収入が半分以下、なおかつ住民税非課税の水準が2倍以下の年収となった人。ただこれね、よくわからないんですよ。というのも、今年の年収って、まだわからないじゃないですか。ボーナスもどうなるか分からないし」
今年の年収ベースで考えると、給付金をもらえるのはずいぶん先の話になるのだろうか。
「もらえるのは夏ごろじゃないかと。それ自体もバカげた話ですが、何が問題かと言うと、ほとんどの人が救われないんです。たとえば、日本共産党の小池(書記局長)さんの話だと、単独世帯の場合、月収10万円の人が9万円に落ちても給付金をもらえない。おかしいと思いません? 政府は、5000万世帯のうち1000万世帯、およそ2割がもらえると話しているんですが、わたしの計算だと(給付を受けられる人は全国民の)15%くらいだと思います。つまり、政府の推定でも、国民の8割が給付金をもらえない。アメリカは全国民一律で給付しているんです。8割排除というのはなんなんだ、っていうことなんですね」
8割の国民が給付金をもらえない、これではなんの救済にもなっていないと言及する森永は、手続きの煩雑さについても触れた。
「たとえば、去年の毎月の給与明細ってきちんと取ってありますか?『去年に比べて今年はこれだけ収入が減った』という証明がいるんですよ。そして、市役所に人が押し寄せて大パニックになって、クラスターにつながる恐れも考えられるわけです。こういう大きな災害が起きたときは、シンプルにすぐにやるといういうのが大原則なんです。これを一切無視した今回の政策は、日本の歴史上、史上最大の“愚策”だと思っています」
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