ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月20日放送)に、新型コロナウイルスの医療対策の最前線に立っている東京都医師会会長の尾崎治夫氏が出演。感染防止対策としての「うがい」「手洗い」の効果について、番組リスナーからの疑問・質問をもとに解説した。
うがいは普通のお水やお茶で十分
飯田)まず、お名前はないのですけれども、「スプレー型のうがい薬がちょっと高いので、口臭対策のマウススプレーをコロナ対策と思って使っているのですが、効果はあるのでしょうか?」といった具体的な質問をいろいろいただくのですが、コロナに対してどう立ち向かったらいいのか。うがいは効果があると思っていいのですか?
尾崎)ないということはないです。うがいをしていただくことは大事だと思いますが、このウイルスは目や鼻からも入って来ると言われているので、決して無駄ではないけれども、うがいだけやっていればいいということではないと思います。あとで出て来るかもしれませんが、むしろ手洗いが非常に大事になるということです。またうがいをしていただくときは、特にご質問にあるようなうがい薬や口臭対策のものを使わなくても、普通のお水やお茶で洗い流していただければ十分だと思っております。
飯田)一方で手洗いの部分ですが、私自身もそうですけれど、乾燥してしまって手が荒れる。手洗いをしたら必ず保湿しないと、ボロボロになってしまう。手洗いの頻度や、どのタイミングですればいいのだろう、と悩まれている方も多いと思うのですが。
外出から戻ってそのままスマホに触らないよう
尾崎)例えば1日5回やればいい、6回やればいいという話ではなくて、ウイルスが手に付いたと仮定します。その場合、目が痒いから目を擦ってしまうとか、鼻が痒いから鼻を擦ってしまうとか、無意識に口へ手が行ってしまったりすると、そこでうつる可能性が高い。つまり顔のどこかを触る場合には、必ずその前に自分の手が清潔かどうか、ウイルスに汚染されていないかどうかを考えていただきたい。スマホやパソコンなど、いろいろなものをいじったとき、特に供用しているものがある場合、また外出から戻ってそのままスマホに触ってしまった場合には、もしかしたらウイルスが付着しているかもしれません。そのあとに必ず顔を触るし、あるいは何かを食べる。ですから目、鼻、口に手が触れるような行為があった場合は、必ずその前に手を洗ってもらうことが大事です。
マスクの表面は“汚染区域”……触らないで外すこと
尾崎)あとはマスクをしている場合、基本的にはマスクをしているところ、例えばマスク自体にもあまり触れないようにする。外すときは必ずゴム紐の部分を持ってそのまま外す、ということが原則です。だからマスクをしている最中は少なくとも、鼻や口には触らない。マスクに触れることで再び汚染されるかもしれません。マスクをしていれば「触ってはいけない」と認識しますので、そういう意味でもマスクは有効です。
飯田)鼻が痒い、口元が痒いというときに、「マスクの上だったら大丈夫ではないか」と触ってしまったりするのですが、あまりそれもよくないですか?
尾崎)つまり、マスクの内側は原則的には綺麗です。外側はいつも空気を吸い込んでいるわけですから、近くの空気を吸着しているので、マスクの表面はどちらかというと汚染区域になります。よくここを触って外す方、あるいはそのまま折ってポケットのなかに入れる方がいますが、もしそこにウイルスが付いていたら、手や服にも付いてしまいますよね。ですから必ずゴム紐の部分を持って、そのまま外側には触らないで外します。いちいち食事のときに外して捨ててしまうのはもったいないですから、その場合にはティッシュか何かを敷いていただいて、テーブルの上に外側を下にして置けば、テーブルも汚染しない。つけるときもゴム紐だけを持ってかけ直す。ティッシュはそのまま折り畳んで捨ててもらうとか、そのようにすればよろしいかと思います。
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